出版社内容情報
天才的女彫刻家は、なぜ半生を精神病院で過ごさねばならなかったのか。師ロダンへの反逆、愛と自立の間で苦闘した生涯を描いた伝記
目次
ロダンの女弟子であり、『瞑想』のモデルであり、そして愛人でもあった美貌の天才的彫刻家。ポール・クローデルの姉であり、劇詩人の想像力の世界にに強烈な影響を及ぼした「勝ち誇るような光り輝いた」女。二人の天才の間で、女性でありつづけながら男と対等の芸術家たらんとし、精神病院に幽閉されて悲劇的生涯を終えた「呪われた芸術家」。―天才の栄光の陰にかくされていたカミーユ・クローデルの生涯を、その復権の火つけ役を果たした演出家が描く、洞察に満ちた力作伝記。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ラウリスタ~
5
カミーユ・クローデルとはロダンの弟子にして、師匠に肩を並べる偉大な彫刻家、またその愛人。そしてポール・クローデルの姉である。と。フランス留学のポスターなどにも起用され本国では圧倒的な人気を誇るだろうカミーユさんを題材にした、伝記風小説です。弟ポールとの微妙な距離感も気になるし、精神病院に閉じ込められたとき、ポールは何をしていたんだい、とも思う。ロダンを静とするならカミーユは動。動きを捉えた革命的な彫刻家だとか。カミーユを好きになるにつれてロダンが嫌いになっていく。2011/10/16
ビビッド
2
女性演出家アンヌデルベによる、ポールの手紙を元にした創作(あってる?)。弟も有名な人だって知らなかった。彫刻をやったことのある私には、彫刻制作の場面やモチーフへの興味の持ち方などがけっこうリアルに感じました。2011/12/14
まな
0
古書市で売っていたので購入。非常に読みづらい。時系列は前後するし主語はころころ変わるし…。ただ、カミーユの生涯を思うと、このとらえどころのない文章はぴったりかもしれない。2017/01/26
むらさきたらこ
0
20代の頃に読んだ本だけどこの本こわかったな。この本読んで仕事やめちゃった自分も怖かったな。カミーユは10代から好きな作家で、人知れず図書館で画集みては涙していたので、まあいろいろと多感な時期でした。