出版社内容情報
ボクシングの大場、輪島、フレイジャー、前溝、競輪の松田、登山の森田、その青春をスポーツに賭けた男たちを描いた待望の作品集
内容説明
ライヴァルを倒し、記録に挑み、ひたすら戦いつづけることで王座を手にした男たちも、やがては頂から降りざるをえない時がやってくる。彼らが発する声にならない声…。その呻きが、喘ぎが、呟きが、そしてその沈黙が、いま再び「敗れざる者たち」の世界に反響する。勝負の世界にまつわる5つの短篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
96
「亡くなって良かったですか?」 師弟の絆で80年代最強と呼ばれた長距離ランナーがいた。師が死んだ時、沢木氏は選手にこう訊ねたそうだ。人生というもう一つのマラソンコースを自分の足で走ることができますか?と。スポーツの世界で頂点を極めた男達の素顔に迫った迫真のルポルタージュ。共通するのは、どの“王者”も途方に暮れるほどの欠落を抱えていたこと。貧しくて用具を買ってもらえず、肉体だけで登り詰めた瞬間に高級スポーツカーの車内で骸と化した者。翼が折れている事を知りつつ闘いへの狂気に殉じた者。『敗れざる者たち』第二章。2015/11/04
hirayama46
1
スポーツ関係のノンフィクションを5本収録。プロスポーツというものに携わった人々の精妙な心の綾を丁寧に描いていて良かったです。中でも芸能人としての側面しか知らなかった輪島功一にまつわる「コホーネス〈肝っ玉〉」が面白く読めました。ほとんど行き当たりばったりのような不思議な人生を描いた「ガリヴァー漂流」も好き。2016/02/15
fuji
0
この本のジャンルは何になるのだろう。小説ではなくエッセイでもなくドキュメンタリー・・・になるのかもしれないが。 トップアスリートを取材し、彼らの内面に迫り、ありのままの姿を浮かび上がらせようとする姿勢が一貫する。2016/11/17
ゆりっぺ
0
1998年8月19日