出版社内容情報
日本で生まれ育ち、アメリカと日本を等距離で眺めうる位置で愛情こめて日本人を見つめ続けた歳月を、独自の文化論をまじえて綴る
内容説明
日本とアメリカを等距離で見つめつづけた希有の知識人が、日本への深い愛情と理解はいずこより来たかを外交秘話をまじえて率直に語る。はじめて聞く外交秘話とこまやかな日本への愛。行間に人柄のにじむ知日知識人の70年。
目次
第1部 日本に育って 1910~1927年
第2部 世界遊学 1927~1938年
第3部 戦争の時代 1938~1946年
第4部 ハーヴァード黄金の日々 1946~1960年
第5部 日本に使して 1961~1966年
第6部 それ以後 1966年~
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kiyoshi Utsugi
29
原題は「MY LIFE BETWEEN JAPAN AND AMERICA」で、1986年に米国で出版されたものの日本語訳。 ライシャワーは、駐日米大使として著名な方。ただ、駐日米大使を務めてたのは、ケネディ大統領から話しがあった時期で1961年からジョンソン大統領の1966年までなので、リアルには知らないはずですね。 ちょうど高度経済成長真っ只中の池田勇人が総理大臣だった時。 ライシャワーの後妻になった人は日本人で松方正義の孫だったと知って、ちょっとビックリしました。2022/10/12
紙狸
17
原著は1986年、翻訳は87年刊行。夏休み中、丹念に読んだ。著者は1960年代前半に駐日大使を務めた。宣教師の息子として日本で生まれ、円仁(慈覚上人)が唐で書いた記録を研究する学究の徒だった。太平洋戦争時に陸軍で暗号解読、戦後は国務省で朝鮮半島を巡る政策立案に携わる。いったんハーヴァード大学に戻るが大使に起用された。沖縄は日本に返還すべきだ、日本と韓国は国交を結ぶべきだという判断は、先見性があったと言える。ロバート・ケネディ司法長官が訪日して、早稲田大で左翼学生たちと対話を試みた際のエピソードが興味深い。2022/07/20
きくちたかし
0
日米関係を堅固にしたこととそれが世界平和に繋げてきたことに貢献したことは高く評価された。 そのことに尽力させてきた思想や生き方を学び世界を見る目が少し超え、自分なりに深く考えさせてくれた。 分かりやすく噛み砕くような説明に自分が少し変わったことを感じた。2014/09/19
papahaba
0
大正時代から日本に行き、世界で学び、日本大使も務めた波乱の運命に生きたライシャワーの自伝。事実に即しイデオロギー色の薄い(リベラルだが)、率直な語り口がすがすがしい。2021/10/10