出版社内容情報
世界の富を集めたこの時代の英国は、驚くほど現代日本に似ている。「英国鉄道物話」の著者が考えた、大英帝国の"没落"に何を学ぶか
内容説明
史上かつてない繁栄を迎えた日本に、きわめてよく似た国がかつてあった。ヴィクトリア朝のイギリスである。島国でありながら貿易によって世界の富を集めたこと、また島国であるために、軍事的・道徳的安全が保障され、しばしば大陸の戦乱で漁夫の利を得てきたこと。そのことが、国際感覚の欠如、つまり島国根性を育ててしまったこと。かの大英帝国の没落が語られてから久しい。このことは日本の未来に、多くの示唆を与えてくれる。われわれは、大英帝国の繁栄と没落に、何を学べばよいのだろうか。
目次
序章 不気味なまでの類似
第1章 レジャー産業革命(世界最初の旅行代理業者;企業城下町と家父長制)
第2章 文学産業革命(一般読者層の成立;新しい読者層の登場;文学の薄利多売;普通教育制度とマスジャーナリズム)
第3章 宮廷改革者アルバート(悪評高き4代のジョージ王;女嫌いの優等生;妻のために内助の功;万博の生みの類)
第4章 死に至る病(ジャックとマスコミ;犯罪ほど素敵なショウはない)
終章 善きをとり悪しきをすてて