出版社内容情報
明治20年に18歳で吉原に身売りした没落士族の娘・久野(紫)の生涯と明治期吉原遊廓の風俗を鬼才が独得の絵と文で描く。特装版は手彩色版画二葉付で二百八十部限定
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スリカータ
9
五社英雄監督の映画の原作と知り、図書館で借りて読んだ。そういえば、映画でもこの絵を見たような…。作者の義祖母が主人公の久野。仄暗い悲哀が全編に漂っているが、久野は花魁としては異例の幸せを掴んだ女性なのではと思った。映画は女郎同士の姦しさと剥き出しの情念に中られそうになるが、本書はひとつひとつの絵の佇まいに品がある。身請け後の久野の生涯も綴られ、ラストは絶句。これもひとつの愛の形。2025/03/20
みかん屋
3
なんでも鑑定団で、こちらの絵の鑑定をしていて映画にも使われた絵を見て気になり映画をもう一度と思いましたが本で絵を見た方が早い 映画より内容は良いと思うが絵は見ていて悲しくなるような雰囲気やお化けのよう! やりてばば の文字を初めてみました2023/10/25
紫鈴
1
映画吉原炎上(名取裕子主演)原作。母から聞いた祖母の実話らしいが、吉原時代の話はほとんど創作らしい。絵が主なのか文が主なのか・・・絵が独特で花魁の華やかさがなく残念。巻末紹介の本を読んでみたいがおそらく絶版だろうな☆42013/09/10