出版社内容情報
東条英樹の筆頭秘書官としてこの人ありといわれた赤松貞雄大佐が始めて明かす東条内閣の内幕。当時の秘書官日記を軸に一昨年死去の直前まで書き綴った貴重な秘録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネコ虎
7
東條英機氏を秘書官として内側からみた記録。機密日誌と題されているが、当時のメモから後日書いたもので大それた機密のようなものにはなっていない。首相としてのエピソードと悪評に対する弁護が縷々書かれていて、それなりに興味深い。東條はヒトラーのような独裁者でも極悪人でもない。頑固一徹で尊皇心の厚い軍人。仕事に細かく、いつも改善を考えていて、部下を思いやり、現場重視。トップというより部長クラスの人材か。日本存亡時の指導者であったのは、日本の不幸。秘書官から見ている割に平板な中身。軍人赤松貞雄としてはそれが限界か。2016/08/04
い-さん
0
小学校の作文で(もう50年以上前ですが)父親の言うことを真に受けて「戦争は東條英機が悪いから」と書いて、先生にたしなめられたことがある。この本を読み、東條英機という人が非常に生真面目な人物であることがよく分かった。しかしながら精神至上主義であり、冷静な判断に欠ける人でもあった。2022/08/27