無私の精神

小林秀雄（文芸評論家）

文藝春秋（1985/03発売）

• サイズ B6判／ページ数 585p／高さ 20cm
• 商品コード 9784163395005
• NDC分類 914.6
• Cコード C0095

出版社内容情報

近代批評を日本に導入し、確立させた著者の、初期の作品から宣長への探求まで、鋭い感性と深い思索に貫かれた稀有の業積を俯瞰する。増補訂正した詳細年譜を付す

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[水野洸也]

「私の人生観」と「ドストエフスキイの生活」、「モオツァルト」を少しと最後の「考へるヒント」を読んだ。この中では講演記録である第一番目が良かったけれども、そこで小林のほとんどが語られてしまっているようで、他のものにはあまり興味が向かなかった。「ドストエフスキイ」はところどころ面白いところがあるけれども、その後に続く「無常といふ事」からは文の着飾りが多くなり、「モオツァルト」は特に酷い。「考へるヒント」は読めたが、自意識のあり余る文章でなにしろ直視できない。話し言葉が彼の真骨頂と再認識したひとときだった。

2016/10/22