出版社内容情報
一人の少年の刃が社会党委員長の胸を貫いた。この一瞬に社会党混迷の種は芽生えた。右翼少年と老政治家の運命的出会いと六十年安保の時代を描き切る六百枚の力作
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaji
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むかしの言葉が多くて、解読に一苦労したが、それぞれの立場からの心情などがものすごいディテールで追っていて、ノンフィクションと思えないほどの完成度で読ませる。2016/11/20
鏡子
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若松孝二の映画にちらりと山口の最期が描かれていたのが読むきっかけ。そもそも「右翼の少年が政治家を刺殺した」程度の知識しかなく専ら彼についての文章を期待していたが、本書は浅沼の生涯に多く頁を割いている印象。そして浅沼の訪中にまつわる話が最も印象深かった。息子が思想に殉じた一方、主義を貫くことも舞台を踏む夢も断たれた父親の心境がどこかで知れれば…。浅沼の追悼文を池田が読むあたりはフィクションのようで、今日日々のニュースが後世に出版されるこのような本の断片であることに思いをはせる。2024/06/04