出版社内容情報
浅草のアパートで見つかった丸の内OLの遺体。「昼はOL、夜は娼婦」、彼女を取材したノンフィクション作家が辿りついた意外な真犯人。
内容説明
浅草の古びたアパートで発見された女の絞殺死体。被害者は大手旅行代理店のOLだが、夜になると街で男を誘っていたという。この事件に興味を抱いたノンフィクション作家が彼女の生い立ちを取材すると、その周辺に奇妙な事件が相次いで起きていたことが分かる。彼女を殺したのは誰か?その動機は?「騙りの魔術師」折原一が贈る究極のミステリー。
著者等紹介
折原一[オリハライチ]
1951(昭和26)年生まれ。早稲田大学卒業後、編集者を経て88年に『五つの棺』(後に改作して『七つの棺』)でデビュー。以後、大胆な叙述トリックを駆使した本格ミステリーからトラベルミステリー、サスペンス、ホラーと幅広い作風で活躍。95年には『沈黙の教室』で第四十八回日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
84
~者その11。東電OL殺人事件がモデル。最後でタイトルに納得。2014/01/01
きさらぎ
54
事件関係者へのインタビューが多く、湊かなえを読んでるのかと錯覚しながらも一気に読んだ。ラストの”叫び声”というヒントで、どちらの言い分が正しかったのかがはっきりする。騙されないように意識しながら読んだのに予想もしないラストだった。確かに”抜け”はたくさんあるけれど、久々に再読したいと思った作品。東電OL殺人事件は有名な事件だけど、なぜここまで有名になったかといえば、やはり被害者が昼の顔と夜の顔を持っていたという点。被害者なのにプライバシーが踏みにじられるという怖ろしさを感じた。2015/05/17
そのぼん
51
あぁ、ややこしい。最後までオチがわかりませんでした。ころされた女性の周辺を取材してひとりの人物をうかびあがらせる面白かったです。2012/07/21
nyanco
47
『東電OL殺人事件』がモチーフにされているんだろうな…と、この不思議な事件にリアリティを持たせて、すんなりと物語に入り込ませてくれる。湿気を含んだ霧が立ち込めるような、ギトギトとした油の膜が粘りつくような感じ…読者を不安のアリ地獄に追い込んでいく。殺された奈美、妹の真緒、従兄弟の恵美、そして女性ライターの百合子…、同年代のよく似た彼女たち…、読者は作家の狙い通りに翻弄される。何度も何度も、Aなのか?それともB いや…Cなのか…いや、一番最初のトラップのXは…?続→2010/12/08
まど
39
実際の事件をモチーフにしてこんなふうに展開させたことや、伏線の張り方がさすがの面白さ。折原さんの作品は、読み始める前の期待が大きすぎちゃうので、もっとびっくりさせてほしいって欲張りなことを思ってしまうのでした。2011/09/01
-
- 和書
- 作業療法管理学入門