テティスの逆鱗

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  • サイズ B6判/ページ数 341p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163297309
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

それぞれの理由で美容整形外科に通う4人の女性たち。エスカレートするその「美」の追求は、ついには禁断の領域にまで達する……。

内容説明

女優、OL、キャバクラ嬢、資産家令嬢―年齢も職業も異なる四人が耽溺する、美容整形の世界。次第に彼女たちは「触れてはいけない何か」に近づいてゆき…。女性の欲望を極限まで描く、美と恐怖の異色作。

著者等紹介

唯川恵[ユイカワケイ]
1955年、石川県生まれ。金沢女子短期大学卒業。銀行のOL等を経て、84年「海色の午後」で第三回コバルト・ノベル大賞を受賞し作家デビュー。2001年『肩ごしの恋人』で第一二六回直木賞、08年『愛に似たもの』で第二一回柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ウッディ

122
美を求める女たちの狂気が怖かった!美容整形にのめりこんでいく4人の女性。一種の中毒のように、自分で自分を止めることができず、求めていた美しさから、どんどんかけ離れていってしまう。ある意味ホラーよりも怖い。。ぞっとしました。2017/08/20

ベイマックス

86
女の美への執着心を描き切った物語。それにしてもここまでいくと、美しと幸せは比例するのか疑問になる。そして、いつの時代からの価値観なのかも疑問。経済活動に翻弄されている被害者とも考えられるのではないか。そして、男は加害者か。2024/07/15

miww

78
初読み作家さん。美容整形を病的に繰り返す4人の女性とそれを施術する女医の視点で描かれる。いつまでも美しくありたいと願う気持ちは同じ女性としてわかるけど、歳には抗えないと諦めている私には自分の体にメスを入れ続ける彼女達の心理は到底理解できない。どんどん深みにはまって狂っていく様子が痛々しくタイトルにある「逆鱗」に怯えながら一気読みでした。一体何を手に入れられたんだろう。どこまて行くんだろう。ラストの4人に寒気がした。2016/02/01

モルク

71
美容整形外科の女医と4人の整形にのめり込んでいく女たち。美容整形の怖さがありありと…。際限なき美への欲求、老化への恐れ、何でも整形すればなんとかなる元に戻る、やり直せると信じて疑わない人々。そしてやらずにはいられなくなり依存症に、さらに心の闇は次第に深くなる。整形しても取り戻せないものもある。私は現実を受け入れ、しわもシミも共存し…などと思いつつアンチエイジングの化粧品を使う…このぐらいはかわいいものだとこの作品を読んで思った。2018/05/31

71
こ、怖い…。昔と違って今はプチ整形なんて言葉もあるほど誰でも気軽に受けることができるようになっているけれど、ある地点を越えてしまうと自分の描いた美を追及することしか考えられなくなるのかも。美しさって一体なんでしょう。美しさは永遠でも幸せを約束するものでもない。でも整形を繰り返す4人の女性はそれを信じている。外見は美しくなったとしても、そのぶん心に闇が増えていくようでした。ラストは背中がぞくりとするほど。2016/02/21

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