出版社内容情報
「出師の表」を書き、魏を攻めるための軍を発した諸葛亮(孔明)。しかし馬謖の失敗で軍は惨敗、諸葛亮はやむなく馬謖を処刑すること。
内容説明
「出師の表」を書き、魏を討伐するための軍を発した孔明。しかし魏軍の反撃と馬謖の拙策で軍は惨敗、孔明は敗因をつくった馬謖に処断を下す―。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
56
曹丕がなくなり、曹叡がその後を継ぎます。曹叡については宮城谷さんはかなりきちんと評価をされています。また諸葛亮についてはかなり評価が厳しくなっています。従来の三国志より史実に正確であろうという姿勢が感じられます。太公望よりもここでは宮城谷さんは冷静な感じがします。三国志というよりも四国志であったということも書かれています。2015/05/21
キジネコ
55
三国の鼎が盤石であった時はないのだと改めて思います。回天の振り子、時代のアイコン達が繰り広げた椅子取りゲームの終幕が近いことを読者は既に知っています。曹操・劉備なき「今」孫権も鋭敏を失い、老いの足音をため息交じりに聞く日々を送ります。諸葛亮孔明、司馬懿仲達の比重が増し平衡が崩れる前夜、物語りは一瞬一瞬に輝くことの大切さを教えます。吾々は無明の宇宙を行く巨大な船に揺られる旅人なのです。三国志の満天に輝いていた懐かしい英雄たちの光は、もう見えません。残された椅子に座る漢にとっても其れは仮の止まり木でしかない。2019/03/16
future4227
42
劉備だけかと思いきや諸葛亮までもこき下ろした第九巻。内政面では評価しているものの軍事面においては、勇気もなければ、決断力もなし、相手の意表を突く動きもなく、武将の人材配置もまずい。諸葛亮には天才的軍師が必要だった…って諸葛亮がその天才的軍師じゃなかったんかい。泣いて馬謖を斬る場面も、諸葛亮自身の配置ミスの責任を部下に押し付けただけと手厳しい。それに引き換え、魏の司馬懿、満寵、曹真へは賛美を惜しまない。また楊阜、黄権といった隠れた才に光を当てるのも宮城谷さんのお得意のパターンで、二人とも魅力的な人物だった。2020/04/12
優希
38
孔明が軍事に乗り出しますが、意外にも軍人として素人のようで人間味を感じました。曹丕がわずか7年で失脚するのも無念だったことでしょう。意外なことが色々起こったのだとしみじみ感じ入りました。2024/04/04
巨峰
26
死せる曹操の遺産が蜀呉を苦しめる。それは、魏に集まった天下の人材というべきもの。人材を拾い上げる曹操の目がこの巻あたりまで魏を曹叡を支える。死してもなお三国志は曹操が主人公なのだ。2011/06/23