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扉守―潮ノ道の旅人

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  • サイズ B6判/ページ数 268p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163287300
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

海と山に囲まれた潮ノ道市で住民が次々に不思議な体験をする。持福寺の住職・了斎が招いた魔力・霊力の持ち主たちが謎解きに挑む

内容説明

瀬戸の海と山に囲まれた懐かしいまち・潮ノ道にはちいさな奇跡があふれている。こころ優しい人間たちとやんちゃな客人が大活躍。待望の、煌めく光原百合ワールド。

著者等紹介

光原百合[ミツハラユリ]
1964年、広島県生まれ。大阪大学大学院修了。尾道大学芸術文化学部日本文学科准教授。20代の頃から詩集や童話を発表し、1998年、『時計を忘れて森へ行こう』でデビュー。2002年、「十八の夏」で第55回日本推理作家協会賞短編部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

文庫フリーク@灯れ松明の火

131
冴え冴えとした月光の下、古びた井戸から溢れだす澄んだ水。かすかな光を帯びたそれは《雁木亭》前の小路をたちまち水路に変える。満月の光に照らされて漕ぎ来る白い小舟。心ならずもこの町‐潮ノ道‐に戻れなかった魂。店の前『船でお越しの方はこの杭におつなぎ下さい』の文字。杭に船をもやった魂は、月の照らす間だけ懐かしき町と人を巡り夜明けに浄土へ旅立つ。この井戸の水を飲んだ者はこの地の力に引かれ必ず戻り来る【帰去来の井戸】の言い伝え。架空の町・潮ノ道は著者故郷の広島県尾道。不思議な力持つ町を舞台の短編七編。→続く2011/09/24

ダイ@2019.11.2~一時休止

121
連作短編集。一部怖いやつもありますが全体的には優しい感じのするファンタジー。井戸のやつが一番よかった。2017/09/16

モルク

114
尾道がモデルの瀬戸内沿岸の町潮の道が舞台のちょっと不思議なお話7編。あの世とこの世を結ぶ地点、現世に強い思いを残したもの、妖怪…この町はあり得ない力が溜まっている所であり、各話の共通の登場人物は持福寺の住職了斎。小柄でヨーダのような風貌の脇役であるが妙にインパクトが強い。帰去来の水を飲んだ人はこの地に必ず戻る。寿命が尽きて戻れない人には舟が迎えにいくという「帰去来」、良からぬ者が入ってこないようにこの世と異界の扉を閉ざして守る表題作「扉守」が印象的だった。この摩訶不思議な世界にもう少しひたっていたい。2023/12/07

エンブレムT

111
ゆったりとした静かな時の流れや、土地というもののチカラが伝わってくる不思議な物語。少しずつリンクした短編集なのですが、幻想的という大きな共通項があるので、読後は1つの優しい物語を読み終えたような印象が残りました。「この町が本当にあればいいな。この人達が本当にいればいいな」そんな思いが湧きあがってきます。文章も装画も切なく美しく、いつまでもその世界に浸っていたいと思わせる魅力がありました。どの物語も大好きです。2010/03/24

みかん🍊

103
追悼の為の再読、何でレビュー上げていないのかと思ったら13年前の本だった、大好きな作品で不思議なファンタージーで有りながら優しく美しい、自分的にドストライクな作品、尾道の美しい情景が舞台の連作短編集で山と海に囲まれた不思議な力が宿る場所に引き寄せられる客人を持て成すふざけた住職を軸に繰り広げられる物語、どれも素敵でした、一度行った事のある尾道の景色が浮かんで、もう一度再訪してみたくなりました。2022/10/07

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