蒼き狼の血脈

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 348p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163287003
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

チンギス・ハーンの死後、熾烈を極める後継者争いに背を向け、ひたすらモンゴル帝国の拡大に力を尽くした名将バトゥの鮮烈な生涯

内容説明

チンギス・カンの長子ジュチの子でありながら、父の出生疑惑を理由に後継者候補からはずされたバトゥは、暗闘を繰りひろげる一族に背を向けひたすら帝国の拡大に力を注ぐ。モンゴル高原から遠く地中海まで遠征し勝ち続けた名将にして、「賢明なる王(サイン・カン)」と呼ばれた男の鮮烈な生涯。

著者等紹介

小前亮[コマエリョウ]
1976年、島根県生まれ。東京大学大学院修了。専攻は中央アジア・イスラーム史。在学中より歴史コラムの執筆を始める。田中芳樹氏の勧めで小説の執筆をはじめ、2005年、『李世民』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鐵太郎

9
チンギス・ハンの長男ジュチの嫡子(次男)バトゥの一代記です。小前さんは、バトゥの性を火ではなく風とし、その上で「鶏口となるも牛後となるなかれ」という考えを持ったと解釈したようです。面と向かった争いを好まず、一族の和を重んずる。征服戦も相手を殲滅するのではなく懐柔を求めて時間をかける戦い方をする。むろん、単なる「いい人」ではない。物語は、バトゥと従兄弟たち、そしてフィクションを交えた人々の関係を、今まであまり語られなかった方向から語ってくれます。こんな歴史の描き方、好きだな。2010/07/30

しんさん

4
最近ハマっているモンゴル帝国マンガ「天幕のジャードゥーガル」(「このマンガがすごい2023」1位)の予習として。ロシア、ヨーロッパを恐怖に陥れたジョチ=ウルスのバトゥの物語。スーパー有能な王族でありながら、父の出自が理由で大モンゴル皇帝はあきらめなければいけないバトゥが、ひたすら西へ、みたことのない海へ進み続ける。異民族との戦い。王族内での駆け引き。モンケとの友情。面白かった!「イルティシュ川より西は切り取り次第」はロマン。2023/11/11

Ryuji

4
★★★★☆チンギス・カン亡き後第4代皇帝モンケの即位までを、チンギス・カンの孫バトゥ(キプチャック・ハン国の創始者)を主人公にして描いた小説。モンゴルの征西と帝国内部の権力争いが本の中心であるが、ポーランドだとかハンガリーだとか「元」のイメージが強いモンゴル帝国のスケールの大きさをあらためて痛感した。当時のモンゴルのやり方が残酷だなと感じる部分もあるが、逆に忠実に描いているということでありそれはそれで良いことだと思う。バトゥの生涯を書いた本ではないので、続編があれば読んでみたいが・・。2015/01/15

天笑院たか姫

3
チンギス・カンがまだ小部族だった頃、妻のボルテが他の部族から連れ去られ、取り戻してから生まれた長子ジュチ(客人という名)は、部族から後継者として認められなかった。ジュチの息子バトゥのユーラシア征服と後継者争いを描いている。ポーランドまで進軍していたと知って、びっくりしました。それに後継者争いの根回しや陰謀は、いつの時代もあったのだと思い、人脈を持つ者が制すのだと実感しました。2015/06/20

maito/まいと

3
チンギス・ハーンの孫、バトゥ。疑惑の血筋に生まれたことでハンの道を閉ざされた彼が、己の道を見いだす人生の旅を描いた小説。といっても司令官である彼は、西へ侵略・征服を行うのだけれど、陰惨な要素は少なく、割とさっぱりした描写が多い。血縁者同士の権力争いの悲惨さ、友情など人間ドラマが非常に濃い。権力争いに介入したことで心身をすり減らしたバトゥ。もしもっと自由に夢を追い続けていたら・・・と彼への興味は尽きない。2010/04/11

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/565657
  • ご注意事項