風葬

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  • サイズ B6判/ページ数 206p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163275703
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

拿捕、遊郭、マフィア…男女の欲望が交差する根室港。デビュー作で北海道に生きる男女の性を艶やかに描いた作者が挑む新感覚官能ミステリー。

著者等紹介

桜木紫乃[サクラギシノ]
1965年、北海道釧路市生まれ。裁判所職員をへて、2002年、「雪虫」で第82回オール讀物新人賞を受賞。2007年、初の単行本『氷平線』を発表。新聞書評で絶賛される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

れみ

128
かつて北海道の海端に住む漁師とその娘が死に、それから30年後のお話。娘の担任だった男とその息子、娘と関わりのありそうな書道教師の母娘、それぞれの視点から、薄いベールがひとつひとつ剥がれるように、かつての事件の真相ととある人物の出生の秘密が明らかになっていく…というお話。今まで数作読んできた桜木紫乃さんの作品の中ではいちばんサスペンスものみたいな緊張感が色濃く、先が早く知りたくて夢中で読んだ。どうしようもないやるせない空気に溺れそうになりながらも…今回も凄く引き込まれた。2016/05/31

ゆみねこ

78
桜木さんの初期の作品。釧路・根室、道東を舞台にした親子の物語。書道教室母子と元教員父子、裏社会に棲む母と息子。深い悲しみと道東の風景が相まって印象的でした。 2015/02/23

風眠

72
小説家としてはまだ途上にあった頃の桜木紫乃。荒削りで少々ご都合主義ではあるが、デビュー2作目にして初の長編は、今の桜木紫乃が描く「道東ノアール」の雰囲気を予感させる。オホーツク地方、涙香岬(ルイカミサキ)。釧路と根室を舞台に、港町として栄えた明治時代から現代に至るまでの栄枯盛衰の歴史。遊郭、拿捕、ソ連、マフィア、逃げて来た男女、そして生まれるはずではなかった子ども。時を経て、明らかにされる人と人との繋がり。胸にしまっていても、滲んでくる人の情と業。ミステリーというより、2時間サスペンスドラマのようだった。2016/01/24

あつひめ

70
北海道は、広い!道東の町と道央では、空の色も、また、人の中にあるDNAも違うような気がする。漁師という追い求めながら生きる暮らしと、農業中心の育てる暮らしとの違いなのだろうか。涙香岬。カタカナで見るのとイメージが全く違う。昔から語られていた遊女の話が漢字の涙香岬と重なる気がするのは、女だからかな。女にしかわからない痛みや苦しみがこの世には多すぎる。幸せを手にしても、女は過去を忘れることはできない生き物。川田タヨが長い時間、抱えて生きてきたことは、自らは名乗ることのできない身内を守ることでもあったのかも?2014/10/24

キムチ27

52
表題の2文字から到底陽の光をイメージする事は不可とはいえ、作品のイメージを巧く切り取って貼り付けている。薄い1冊ながら、読者は否応なく黴臭い、冷たく仄暗くしとった景色に引き込まれる。作中の女性夏紀と風美はあたかも「ガラスの向こうは見えても相手側からは見えない」展開の感覚で描かれて行く。30年前の拿捕と徳一の生徒の死亡、書道大家一州の連なりがぎくしゃく感じられ無理っぽい・・がほぼ一貫して後半は優作の視点で語られるせいか筆者の姿勢の貫きで疾走しきっている。桜木さん、好きだけど続けて読むとグルーミーかな・・2015/04/14

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