内容説明
日本橋十軒店の雛市、永代寺の花祭、吉原の大紋日、芝神明宮のだらだら祭などなど、江戸の暦を事件で綴る歳時記捕者帳。
著者等紹介
泡坂妻夫[アワサカツマオ]
昭和8(1933)年、東京生まれ。九段高校卒業。紋章上絵師、作家。43年に奇術で石田天海賞を受賞。51年に「DL2号機事件」で、第一回幻影城新人賞に佳作入選しデビュー。53年に「乱れからくり」で日本推理作家協会賞を受賞。57年には「喜劇悲奇劇」で角川小説賞を、63年には「折鶴」で泉鏡花賞を、平成2年には「蔭桔梗」で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タカギ
19
面白いというか、素晴らしい。無駄な文章がない。「江戸の暦を事件で綴る歳時記捕物帳」ということで、登場人物たちが俳句を詠むことが多いのだけど(その俳句は変なものばかりなのだけど)、575音の中に情報がぎゅっと詰まったそれに似た短編群。江戸の風物が好きでもあって、楽しく読めた。2017/10/09
bluemint
7
著者得意の江戸情緒が満喫できる。この頃になると意表をついた趣向は影を潜めて、穏やかな人情小説の色を濃くしている。謎も推理もなく、事件を起こさざるを得なかった犯人の心情に寄り添う形が多い。しかし、稚気溢れたかつての傑作群を知るものとしては些か寂しい。2025/10/06
KAZY
3
最後の辰シリーズ。雑俳は素養がないんでちょっと難しい。ちょっとせつない話が多かった気がする。2011/11/18
ケイスケ
2
低調2019/04/30
お笑いループシュート
2
話の流れは淡泊な印象を受けますが、江戸の情緒のある筆さばきが心地よいのです。 もはや、神田千両町の宝引の辰親分をはじめ愉快な登場人物が出てくるだけでいいのです。2017/10/24