花鯛

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163271408
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

こいつを釣りあげれば、オレの人生変わる!人生につまずいた気弱な男たちが、一発逆転を狙って海に出た。こころあたたまる四つの物語。

著者等紹介

明川哲也[アキカワテツヤ]
1962年東京生まれ。早稲田大学文学部哲学科卒業。フリーライター、放送作家などを経て、90年ドリアン助川の名前でロックバンド「叫ぶ詩人の会」を結成。99年に解散後は2000年から02年までニューヨークに在住。帰国後、03年から現名義で小説を中心とした創作活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chimako

86
どの話も3/4までは「あぁ、どうして上手くいかないんだろう」とため息がもれる。もうちょっと何とかなるでしょう……しっかりしてくださいよ……と読みながら叱咤する。釣りの事はわからない。「とも」と「みよし」の違いも分からず、仕掛けや竿やリールの種類も知らずに読んでも面白かった。各短編の主人公たちは誰もが情けなく、ハッキリとものが言えず、何となく流されて今に至る。釣りに同行した娘が、仲間の息子が、かつての同級生が、家で待っていた息子が、最後に力をくれる。読後感の良い短編集。ドリアン助川の名前で文庫になる一冊。2016/11/06

七色一味

44
読破。冴えない中年男性が主人公。それぞれにそれぞれなドラマがあって、でも何かが変われるかというと決してそれ以前からの枠から外れられない、そんなフツーの物語なんですが、読了感は悪くありません。2015/04/04

007

31
★★★★☆ 著者の別名はドリアン助川。冴えなくて家庭生活も行き詰っている中年男性がおもな主人公の4短編。たった1回釣り船に乗って獲物を釣上げても人生なんら変わることは無いけれど、美味しいって喜んでくれる誰かのために。素朴な魚料理がどれも美味しそう。滋味のある文章は森沢明夫さんと似ているかも。うちの夫の趣味はサケ、マス狙いのルアー釣りだけど、男の美学とか何だとかで釣ってもリリースして手ぶらで帰ってくる・・・訳わからん。2015/03/11

フリスビー

29
いわゆる「敗者」と言われるような小心で、失敗した男たちの物語。タイトル通り、海釣りと魚と料理が、4編に共通した題材。釣りは、見えている海の上だけではなく、海の底をイメージするというのには納得。釣りをしない自分でも引き込まれてしまう魚との格闘は迫力があります。「誰かと生きていく時はね、相手の不足を嘆くとちゃうんで。不足を感じたら、あんたがそれを補ってやらんといかんのやで」――そう考えると、相手にも「そんな感じ方ができるんだ!」と新たな発見をしそうな、あたたかい本です。2014/04/04

takayo@灯せ松明の火

25
釣りに一緒に行っているような臨場感たっぷり!目に見える海上じゃなくて、海の底をイメージするのね。なるほど…鬱屈した思いを抱える男に釣りはピッタリだ!自分の心の底を覗きこむ形で物語が進みます。頑張って頑張って、誰にも代わってもらえない。自分の力で乗り越えた時、また1歩、歩み出せる。2012/11/25

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