内容説明
退職金をはたき、業界のパーティーで乾杯の音頭をとる権利を買った芸能記者の運命は?表題作ほか、巨匠と大女優との壮絶な確執(「授業」)や、死者の体を清める湯潅を仕事とする元風俗嬢(「メイクアップ」)など、現代の奇譚とも呼ぶべき物語全六篇。
著者等紹介
三田完[ミタカン]
昭和31年(1956年)、埼玉県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。平成12(2000)年に「櫻川イワンの恋」で第80回オール讀物新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yoshie S
2
短編六編。テーマは……何だろう?全編に通じて中途半端な生々しさがあり、のめり込めなか感じでしょうか。2015/01/03
つくし
1
中年期以降の男性の姿が描かれている短編集。人生に常に性がつきまとうのだろうか、各主題との関係あるなしに関わらず、女性の存在が穢れと捉えられていた時代の気配を常に感じてしまいました。「匂鳥」はちょっとゾワリとする感じが、「メイクアップ」は死を思う表現し難い厳かな感じが、他の話と雰囲気が違って、こういうのが読みたかったんだよなぁという気持ちにさせてくれました。2022/02/22
まる子。
1
なんか…どれも不思議な話だったな……。文芸界にひっそりと引き継がれ続ける「乾杯屋」という制度。それに抜擢された主人公のお話から始まるいくつかの物語集。それぞれ全く違ったテーマのお話だけど、全体的にどれも、どことなく冷え冷えとした世界観だったように思います。謎の使命感で読了し、図書館に返した時はなんだかホッとしてしまった。2016/12/12
ko-sight
1
表題の乾杯屋を含め六編の短編集。「乾杯屋」はこんなに悪い奴がいるのかと思い、「メイクアップ」では湯灌を仕事とする女性の話しにう~んとなった。2015/08/15
ばる
0
そんなパーティには出たことがないけれど、とても皮肉ってるなぁ。2014/09/04