内容説明
西門屋慶左衛門は江戸で評判の女好き。姦婦おきんを妾にしたものの飽き足らず、今度は人妻お六と深い仲に。だがお六のあまりの毒婦ぶりにさすがの慶左衛門も怖気づき、とうとう自慢のものが役に立たなくなってしまう。困った慶左衛門、噂の強壮剤を手に入れるため、お伊勢参りにかこつけて女ふたりと旅に出ることに…。色と欲にまみれた男とふたりの情婦の旅路には、いかなる色ごとが待ちかまえているのやら―男女のあのコトを描きつくす、圧巻の官能時代小説。
著者等紹介
林真理子[ハヤシマリコ]
1954年山梨生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍。82年エッセイ集「ルンルンを買っておうちに帰ろう」がベストセラーとなる。86年「最終便に間に合えば」「京都まで」で第94回直木賞受賞。95年「白蓮れんれん」で第8回柴田錬三郎賞受賞。98年「みんなの秘密」で第32回吉川英治文学賞受賞。現代小説、歴史小説、エッセイと、常に鋭い批評性を持った幅広い作風で活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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カピバラ
27
第2弾。おきんは相変わらず生きる力が強いなぁ笑。お六も油断ならない女性ですので、今後の女の闘いが楽しみだなぁ三作目も読みたい(^^)2015/04/24
あつひめ
25
前巻では、男と女のなれそめやら快楽に溺れる様子がこれでもかと書かれていましたが、今回は江戸時代庶民に流行ったお伊勢参り。江戸から片道半月近くはかかったであろう旅の要所要所ででも女を探すことをやめない男と、なかなか快楽を与えてもらえない妾二人の珍道中。いつの間にやらこの人たちのお付きにでもなった気分で読んでしまう。男と女は不思議なものだ。気持ちもさることながら床の中での相性も大切なのだから。現代でもこんな人間関係ってありなのかなぁ?次が気になる・・・。2011/06/09
さくちゃん
8
江戸一の色男・慶佐衛門とその愛人2人の珍道中。ここまで色恋のことしか考えていない登場人物たち、むしろすがすがしいな~。おきんのイメージがちょっと変わってきたし。続いて次巻へ。2016/08/11
るみお
6
くだらなさにニヤニヤしながらも楽しく読みました。だらだらしながらでも読み続けられてしまうのは林真理子と波長が合うからなんだろうな。慶左衛門のお道具(笑)が使い物にならなくなって生まれるおきんとお六の変な絆が可笑しい。で、やっぱり心に残るのは、お江戸はエロいってこと。2017/06/23
honey
5
西門屋慶左衛門といえば、顔はよし、金はあり、立派な物をお持ちと江戸で評判のお方。妻子がありながら、妾を家に置く程の女好き。そんな慶左衛門が萎えてしまったから、さあ大変。今助六との呼び名が高い慶左衛門の股間にいやいや沽券にかかわることでございます。何とかしようと妾二人と旅に出た三人。何も起こらない方がおかしではございませんか。笑えるエピソード満載の本でございました。 最後は結論のわからぬまま終わってしまい、読者をじらしてしまうのも、慶左衛門らしいのかもしれません。続きが早く読みとうございます。2011/10/02