内容説明
曹操、ついに袁氏を滅ぼす。孫権、劉備とともに曹操を攻めんとす。ここに、赤壁の戦いの火蓋が切って落とされる。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
53
この巻では赤壁の戦いが中心となっています。曹操がここで負けていなければ、中国のほとんどを制していてかなり魏という国は長続きしたのではないかと思います。劉備の軍はほとんど活躍していないので、本当に運がついていたというしかないのでしょう。孫権と周瑜がかなり活躍したということなのでしょう。そしてこの両名は曹操の本当の怖さを知っていたと思います。2015/04/25
優希
44
歴史が大きく動いたと言えます。孔明、周瑜が登場し、劉備がメインに。クライマックスでもある赤壁の戦いが起きることで三国志の世界はまた1つの区切りを迎えたように思います。今後は新たに動き出した三国志の世界を見せてくれるのでしょう。2024/04/03
キジネコ
44
三者鼎立の壮大な奇術の仕掛け人である諸葛亮と劉備の「三顧」圧倒的な軍容で推し進めた筈の対孫権・周瑜との水戦「赤壁」の壊滅的な敗者曹操。史実に有名なエピソードが6巻で描かれます。史上浮沈するキャラが超人としてではなく人として懊悩を抱え、常勝でも万能でもなく、絶対不変の結束で乱世を切り開いていく英雄譚でもないと語られます。等身で構成される物語、殆どの無名の死者を思う時、史実の上澄みを見透かす苦界への視野を作家は読者に与えています。何故勝ったか、何故敵対したか、何故孔明は劉備に仕える為に草庵を出たのか?7巻へ。2018/07/29
しーふぉ
24
赤壁前後。劉備に諸葛亮、黄忠も加わり。しかし関羽、張飛の影が薄い。宮城谷さんの好みではないのか?趙雲の方が活躍している。 諸葛亮は全てを見通す超人ではなく現実的に描かれています。2018/11/24
つみれ
14
宮城谷氏の描く抜け目がない食わせ物といったイメージこそ、劉備のもつ本来の性質に近いという気がする。確かに、陶謙、曹操、袁紹、劉表と世話になった人を躊躇なく見限る劉備の不義理を、「演義」は仁者の属性で粉飾しているように見える。宮城谷氏はそれを単純に不義理と見ず、老子的な考え方をもつ劉備には「所有し保有するという思想がな」かったとし、そんな劉備の「棄てる方針」を改めさせ、荊州乗っ取り、益州攻略をけしかけたのが諸葛亮だと説明する。スゲー!!そんな解釈初めてだ。「演義」の劉備、諸葛亮が好きな人はショックかも(笑)2016/01/17