内容説明
時代の女神ともてはやされたAV女優が最後に見た風景は。現役女子大生としてアダルトビデオに出演し、独特な存在感から一躍時代の寵児となった千石ローザ。同棲していた兵藤に愛人ができてから、その歯車が狂い出す。危ういまでに人を赦し、受け入れ、自分をすり減らしながらも愛を求め続けた魂を描く渾身の書き下ろし。
著者等紹介
海月ルイ[ウミズキルイ]
1958年、京都市生まれ。華頂短期大学幼児教育学科卒業。98年「シガレット・ロマンス」で第五回九州さが大衆文学賞受賞。同年、「逃げ水の見える日」で第三十七回オール讀物推理小説新人賞受賞。2002年、「子盗り」で第十九回サントリーミステリー大賞・読者賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chacha
9
以前読んだ「子盗り」が良かったので他のものは?と読んでみたのですが、、期待したものとはずいぶん違い、躊躇いました。ひとはどこまで落ちていくのか。何故もっと自分を大切にしないのか。途中で何度もそう言いたくなる。寄ってくる男も皆ローザを利用するやつばかりで最低。ジローが唯一の救いだったか。2021/02/04
腰越ヒロシ
1
名門女子大生にして、過激なAV女優。AV出演のみならずあらゆるメディアに登場し、知的かつエレガントな会話を丁々発止とこなし時代の寵児となったローザ。ただおのれの意思を持たず、出会う男出会う男に無心に運命を委ねるローザはトップスターからバーのマダムへ、巡業のストリッパーへ、場末の風俗嬢へ、ついに西成のホームレスへと転落の道をたどる。終焉の地である西成の公園にローザを誘ったジローは無惨な死を迎えるが、最もローザを愛し、愛おしんでくれた存在だった。ローザ自身も程なく後を追う。時代を駆け抜けた数奇な一女性の半生。2025/05/31
yumi
0
プロデューサーである兵藤に六本木でスカウトされたローザは女子大生でありながらAV女優としてデビュー。マスコミにもてはやされ名を馳せるが、待ち受けていた転落の人生。読んでてイタかったけどローザはどうだろう。悲しいくらいあらゆる人を受け入れていつも微笑むローザに「不幸」という感覚はなかったのかもしれない。なんか読みが浅いんだろうか、よくわからない。2007/07/26
ちょん
0
以前読んだ「子盗り」がおもしろかったので、読んだみたが 違った意味で怖く切ない思いをした。主人公は、大学生AV女優の千石ローザ。そのローザが恋人であったAV監督と別れ、次にできた恋人に騙され、落ちぶれていく人生。最後は、優しい男性のもとに行けて幸せだったんだと思う。たとえ自ら命を放棄したとしても。2011/07/09
devil
0
哀しい物語でした。2022/01/15