内容説明
唐津寺沢藩、槍の遣い手、宍倉六左衛門は、お家断絶で裏長屋での浪人暮し。還暦間近の年齢、労咳を病んだ愛妻を抱えて、きつい人足仕事の日々を過ごすが、手厚い看病の甲斐無く妻は死去。天涯孤独となり生きる意義を見失った六左衛門は、恥を晒しながら生きるよりも死をと決意する。ただ侍として、関ヶ原合戦、大坂の陣、島原の乱と、それぞれ見事な討死を遂げた祖父、父、息子のように、栄誉の終焉が望めないものだろうかと願う。ふとしたことから由比正雪、丸橋忠弥の企てを知り、絶好の死に場所に巡り合ったはずの六左衛門だったが、そこに思いもかけぬ運命が…。侍の誇りとは何か?大型新人が描く波瀾万丈のストーリー。
著者等紹介
好村兼一[ヨシムラケンイチ]
昭和24年(1949)生まれ。東京大学在学中に全日本剣道連盟派遣学生指導員としてフランスに渡り、以後、現在まで三十年以上、フランスで剣道指導に携わる。パリ在住。剣道八段。『侍の翼』により小説家としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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