出版社内容情報
芸能界では知られた文章家であり、歌詞や脚本、小説まで手がける布施明さんが書いた、涙なしには読めない話……。本書は自身のコンサートで披露した朗読のための掌編で、朗読の最中に会場からすすり泣きが聞こえたという感動作です。
内容説明
父母は亡く、たった一人の祖父にも先立たれた幼い兄弟が出合ったささやかな倖せ。コンサートで観客の涙を誘った感動的な物語。
著者等紹介
布施明[フセアキラ]
1947年12月18日、東京生まれ。日本を代表する実力派シンガー。1965年、「君に涙とほほえみを」でレコードデビュー。その後、「恋」「霧の摩周湖」「積木の部屋」などのヒットを放ち、1975年に大ヒットした「シクラメンのかほり」で、第17回日本レコード大賞・大賞を受賞する。その他、「君は薔薇より美しい」「自由」「少年よ」「やさしく愛して Love Me Tender」などのヒット曲がある。また、映画、TVドラマ、舞台・ミュージカル等、俳優としても活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パフちゃん@かのん変更
67
あの布施明氏が書かれた童話だそうです。切ないお話ですが、悪役は登場しません。あくまでも病気や事故などの死別。そして主人公のお兄さんが切ない。布施明さんとイメージじゃないけれど、いいお話でした。2016/05/19
ぶんこ
36
なんと布施明さん4冊目の本でした! 6歳の兄健一と4歳の龍二が孤児となり、児童養護施設から脱走して祖父の家を目指す。亡くなった祖父を、顔が温かかったからと、生きていると信じ込んでいる兄健一が健気でウルっときました。短い物語で、悪人も出てきません。淡々としているからこそ切なかったです。19歳で事故死した兄、17歳で血の繋がった身内がいなくなったけれど、養父母や、その後に結婚して出来た家族に恵まれてハッピーエンドな終わり方なのも良かったです。2016/05/30
たくのみ
10
淡々とした会話と情景によって、浮かび上がる兄弟の孤独。希望山という名前。幼い二人には理解できなかった大人たちの配慮。優しい農家のおじいさん。歌手としても大好きな布施明さんの、もう一つの面が見えたようで嬉しくなった。2014/02/06
真朝
8
哀しいのですが優しいお話でした。布施明さんがこういうお話を書くんだと少しビックリしました。 懐かしく感じました。2021/10/25
名古屋ケムンパス
4
「…あのおじさん、やさしかったね。でも、両方の手に倖せをもらうと。涙が拭けないね…」 短くて、短くて、何とも切ない本。映画も秀逸です。2013/11/07