出版社内容情報
いじめ、転校、親の離婚、多感な時期の少年の四季を描く。
お父さん!お父さん!お父さん!父は死んだ。心に寂しさを抱えながらも健気に生きる少年達を描くショートストーリー集。
内容説明
十歳もしくは十一歳。男子。意外とおとなで、やっぱり子ども。人生で大事なものは、みんな、この季節にあった。笑顔と涙の少年物語、全17編。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
82
小学5年生の少年が主人公の短編17。[葉桜]転校して気になる女子に手紙と写真[おとうと]目の手術をする弟と海を見る[友だちの友だち]鯉のぼり[カンダさん]お姉さんの婚約者[雨やどり]ケンカも通り雨[もこちん]プール見学[南小、フォーエバー]転校した親友に会いに行く[プラネタリウム]天文教室で女子と知り合う[ケンタのたそがれ]父が亡くなりひとり[バスに乗って]母のお見舞いにバス回数券[ライギョ]いじめ[すねぼんさん]トラック運転手だった父[川湯にて]母と露天風呂[おこた]離婚して帰ってきた叔母(続)2020/08/16
takaC
78
自分の5年生の頃とあれやこれやオーバーラップした。しかしただの短編集で終わってしまうなんとなくもったいない本だった。2014/09/17
しろいるか
54
17編の短編は全て主人公が小学5年生の少年。思春期の入口に立ち、友達との関係や急に大人びてきた女子が気になり始め、周囲の大人の事情も解ってきて・・そんな健気な少年たちの姿が母親世代として愛おしく思えた。日々色々考えているんだな、子供も。『バスに乗って』は自分も似たような経験をしたことがあったので、その頃を思い出して切なくなりました。2010/08/05
Take@磨穿鉄靴
34
久しぶりの重松氏。小学5年生の甥の誕生日に今年はどんな本にしようかと思って図書館で借りてみた。小学5年生でも読みやすいタイプの短編集。ほろ苦いお話が多く大人から見ると小学5年生ってたしかに子供だけど思えばいろいろあったなあと懐かしく思い出した。重松氏だから重すぎたらやめようかと思ったけどこれならちょっとビターだけど小学生でも大丈夫そう。注文済。★★★☆☆2023/11/10
エンブレムT
32
小学5年生・・・可能性は無限に広がっている年代だけど、彼等の世界はものすごく狭い。学校と家。その狭い世界の中で、彼等は自分の居場所を探している。この本は17の作品が収録された短編集です。17人の少年が登場しました。どこかに居るような、かつて居たような、もしくは自分がそうだったような・・・ノスタルジーにも似た・・・でも自分の意志だけではどうしようもない時期のリアルな痛みが感じられました。日常の中の笑顔と涙。さりげないけれど大事なモノがギュッと詰まった物語でした。2010/05/08