内容説明
定年退職を4年後に控えた銀行役員・興津亮介は、同じ職場の結城あゆみと恋人関係を結んでいる。彼の妻は結婚して12年後に、「どうしてもある男が忘れられない」と言い残したまま失踪していた。ある日、興津は親友の宮坂から銀座で声をかけられる。彼の横には、着物姿の良く似合う女性がいた。彼女の名前は国方サト。彼がよく知る会社社長夫人だった。興津は彼女の魅力にすぐ引き込まれていき、また彼女も狂うような恋をしたいと想う理由があった!ふたつの恋の間で懊悩する男の結末は―。松本清張賞作家が、濃密な官能描写を織り込んで描く「切実な今」の人間模様。
著者等紹介
山本音也[ヤマモトオトヤ]
1982年、「宴会」で中央公論新人賞を受賞。2002年、『ひとは化けもんわれも化けもん』で第9回松本清張賞を受賞。出版社勤務を経て現在は執筆に専念(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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