うらなり

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  • サイズ B6判/ページ数 202p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163249506
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

「坊っちゃん」から百年目、もうひとつの小さな傑作が生まれた!
マドンナに思いを残しながら、新任地へと赴いたうらなり。「坊ちゃん」の登場人物のその後は。
平凡な男の人生を丹念に描いた傑作。

夏目漱石が『坊っちゃん』を書いたのは、明治39(1906)年。今年は100年目にあたります。校長の狸、教頭の赤シャツ、数学の山嵐、美術ののだいこ、そして英語のうらなり。個性豊かな教師たちのなかにあって、マドンナへの想いを断ち切って、延岡へと転任してゆくうらなりは、じつに寂しげで、印象の薄い人物ですが、さて、そのうらなりから『坊っちゃん』の世界をみるとどうなるか。さらに、その後の彼の人生はどのようなものだったのか。明治、大正、昭和を生きたひとりの知識人の心の風景を丹念に描く傑作。

内容説明

『坊っちゃん』から100年、“うらなり”が見た人生の真実。明治、大正、昭和を生きたひとりの知識人の肖像を卓抜な着想と滋味あふれる文章で描き出した著者渾身の小さな大傑作。

著者等紹介

小林信彦[コバヤシノブヒコ]
昭和7年(1932年)、東京生れ。早稲田大学文学部英文学科卒業。翻訳推理小説雑誌編集長を経て作家になる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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takaC

53
面白かった。しかし、過去に『坊ちゃん』は何度か読んでいるが、学校を出てからは再読していないのが失敗だった気がする。2013/09/25

tomi

30
「坊っちゃん」の脇役、「うらなり」こと古賀先生を主人公に、昭和9年の銀座で30年前のあの出来事、あれからの人生を回想する物語。「自分が主人公みたいに思っている」坊っちゃんも彼から見ればもう名前も思い出せない存在。彼の独善的で人の心に土足で入ってくるような所が不快で、なぜ自分に好意を持つのか理解できない。うらなりは自分に似た面が強い人物なので、彼の心情はとても共感できる。彼らしい人生を想像力で描いた著者の力量は流石。2015/06/27

棕櫚木庵

19
ある本に,ゴダールの映画『カルメンという名の女』(←メリメ『カルメン』),ジーン・リース『サルガッソーの海』(←ブロンテ『ジェイン・エア』)と共にこの本の名が上げられているのを見て,図書館で借りて読んでみた.漱石『坊ちゃん』を,あの事件から30年後に山嵐と再会したうらなり君が回想する物語.「坊ちゃんの行動は,うらなりから見たら,まるで理解できないのではないか」(作者「創作ノート」, p.174).そんな視点から,「そそっかし正義漢」が勝手に騒いで勝手に去って行った顛末が語られる. →2024/07/09

Our Homeisland

18
小林信彦氏、巻末の著者紹介の代表作に「オヨヨ」の文字がなくてガッカリ!私にとっては子供の頃(小学校高学年ぐらいだったか)にむさぼるように読んだオヨヨ大統領シリーズこそが、小説家小林信彦そのものであります。本作は、「パロディではない」と本人が書いています。パロディではなくても企画ものではあります。その大胆でユニークな企画そのものは大成功だったと思います。よくぞ挑戦してくれたとは思います。小説としては、登場人物に面白みがなさすぎてやはり盛り上がりに欠けたものになってしまっていたかなという印象です。2024/05/12

Yuna Ioki☆

11
1852-72-72 初読み作家407人目。うらなり視線の坊っちゃんやマドンナ。2021/07/30

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