内容説明
胸に蝶、プリズム・スパンコールとビーズの。こんどの恋は逃さない。恋のすべてが描かれたふたつの小さな物語。
著者等紹介
松井雪子[マツイユキコ]
1988年「ASUKA」で漫画家としてデビュー。作品に「絶望ハンバーグ工場」「マヨネーズ姫」「犬と遊ぼ!」など。2001年から小説を書き始め、2003年「イエロー」、2004年「日曜農園」、2005年に「恋蜘蛛」が芥川賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
飛鳥
21
女性の心理描写が凄く上手くて、初読み作家さんでしたが楽しめました。(恋蜘蛛)のコスチュームを作る会社でお針子として働くチエコと同じ部署のコージと恋が成就し、ハッピーエンドで終わるのかと思いきや、刺繍に夢中になるコージへ変化していくチエコの心理描写に夢中になって読んじゃいました。松井雪子さんの他の小説も読んでみたい。2017/02/14
SORA
14
収録されている「恋蜘蛛」は、芥川賞候補だったらしい。刺繍繋がりで恋人となった二人だが、彼氏が刺繍に夢中になりすぎ、夢が変化していく様子が痛ましい。もう1編も主人公が気の毒。どちらの作品も現実逃避しているように感じられ、切なかった。2015/02/25
なめこ
6
表紙の印象でキラキラした恋愛小説かと思ったらいい意味で裏切られた。恋蜘蛛は服を作る仕事をしている知り合いを思い浮かべながら読んだ。職場の雰囲気ってこういう風なのかなあとか。愛知万博は懐かしいな。リニモ現役だけどたまには乗ってみようかな。2017/04/07
ikkeeei
4
痛々しさがリアル。リズムがよくて、かなり読みやすかった。2010/11/04
ささみちゃん
3
覚えのある感情ばかりに出会って息が苦しい。ミシンに布が呑み込まれていくように、だかだかとコージくんに取り込まれるチエコさん。なにを犠牲にしてるんだろう。/見たこともないけれど、自分を形作ってる人、に会ってしまったら、自分はどうなってしまうんだろう。人生の星みたいな存在は、一度会ってしまったらもう最後な気がする。遠ざけたくなるオカモンの気持ち、わかる。2011/07/02
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