内容説明
1972年5月15日、沖縄本土復帰の夜―。やがてこの世に生を受けた男は、若くして新薬の開発に成功し、巨大な富を得る。その天才、天願圭一郎を消す依頼を受け、消し屋の将司は沖縄に乗り込む。ただし、その条件は彼を殺すのではなく、自殺するよう仕向けてほしいというもの。はたして将司は、どのように天願を追い詰めていくのか。沖縄の海で、天才と天才が対峙した。忌まわしくも哀しい、血と記憶の物語。
著者等紹介
ヒキタクニオ[ヒキタクニオ]
1961(昭和36)年、福岡県生まれ。イラストレーター、マルチメディア・クリエイターを経て、作家に。2000年に『凶気の桜』でデビュー。映画化されて話題となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とも
50
★★★★登場人物も、消し屋(殺し屋)とオカマの彼女、依頼人は正体不明のブラックスーツでターゲットは天才科学者で、導入の物語もとウィットに富んだ軽快な雰囲気でスタートすることで、難なく物語の世界に同化する。が、徐々に登場人物のココロの葛藤が、リゾートというイメージとは対照的に今尚 戦争によって受けたキズが所々に残っている沖縄にの物語に変貌するに従い、哀しいハードボイルドが頭を擡げる。個人的には、近隣諸島には行ったことがあるものの、未だ本島にだけは足を踏み入れたことがない理由を示してくれた一冊でもあった。2016/05/29
ブルームーン
22
消し屋(殺し屋)将司は、ある日依頼人からある人物を自殺に見せかけて殺害するよう依頼される。その人物は天才的な頭脳を持ち、ある薬品の開発により巨万の富を得た若者、天願。将司は天願に近づき殺害の機会を窺うが・・・。 二人の頭脳戦がもっと見られるかと思ったら、意外とあっさりしていたように感じる。天願の過去のシーンの暴力団のいざこざの部分は、名前が読みづらくて混乱してしまったし、将司との対決のバイクのシーンはいまいち情景を想像する事ができずわかりづらかった。2014/07/06
horihori【レビューがたまって追っつかない】
8
18才にして新薬の開発に成功し巨大な富を得た天才、天願圭一郎。 彼を消す依頼を受ける「消し屋」将司。 しかも「殺すのではなく自殺するように仕向けて欲しい」という条件付き。 『天才 vs 天才』の戦いが始まる。 天願が新薬を発明するまでの話は、間延び感が否めない。 2008/03/08
やまた
4
消し屋がある男を自殺させるという仕事を引き受ける。登場人物たちがみんなぶっ飛んでて、展開が早くて面白かった。この人の小説もっと読みたいなあ。2015/05/05
K
2
再読。消し屋シリーズ沖縄編。天才の苦悩。まさに遠くて浅い…って感想だわ。2014/07/08