内容説明
名も無く朽ちた日本人女性が、東アジアの運命を左右した―。明治から昭和初期にかけて、運命に翻弄されながら歴史に埋もれていった実在の女たちを描く。
著者等紹介
西木正明[ニシキマサアキ]
1940(昭和15)年、秋田県生まれ。早稲田大学教育学部中退。出版社勤務を経て、作家活動に入る。80年、デビュー作の『オホーツク諜報船』で日本ノンフィクション賞新人賞を受賞。88年、『凍れる瞳』『端島の女』で直木賞受賞。95年、『夢幻の山旅』で新田次郎賞受賞。2000年、『夢顔さんによろしく』で柴田錬三郎賞受賞
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感想・レビュー
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Book Lover Mr.Garakuta
15
図書館本:【速読】(一日二書):悲哀且つ赤裸々な人生に、ソンナンで大丈夫かと思ったが、一国の指導者とかその様な性癖も有っても良いかもねと思った。一代好色男とお云うよりは人間の性だと思うが、4編の作品それぞれに日本近代史の女性たちの悲哀なる物語だ。2021/09/20
フンフン
1
明治・大正の時代の歴史の陰に埋もれた女性の生きざまに光を当てた短編集。中国では「国父」とされる、孫文の女好きをここまで赤裸々に描いた小説はないだろう。旧夫人を捨てて宋慶齢と結婚したときには、長年孫文の手足となって命がけの革命運動に挺身してきた青年たちも、結婚の招待をサボタージュしたと伝えられるが、本作は台湾では出版できないだろう。2018/07/31
wasabi
0
近世期を終え、固有の和文化から文明的洋文化への移行を果たさんとするとき、世界の男性たちにとってこの国の女性ほど理想の女性はなかったであろう。つつましく献身かつ知性あり。2009/12/08