出版社内容情報
”軍神”諸葛孔明とは、奇怪な衣装で宇宙哲学を語るアブナイ男であり、あの手この手で臥竜伝説を作ろうと腐心するセコイ男だった。
内容説明
口喧嘩無敗。いざとなったら火計(放火)の策。神算鬼謀の大軍師か?自堕落、色欲三昧、ヤクザ以下の変奇郎か?諸葛孔明の虚像に迫る、酒見版『三国志』登場。「ほんとうの孔明は、こんな人じゃなかったと思う」(作者談)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どぶねずみ
40
横山さんの漫画『三国志』を読む前から気になっていた本だったけど、漫画を20巻以上読んでから手をつけたから、数多くの登場人物が理解しやすくて読みやすかった。この本は名前の通り、諸葛孔明の幼少期から書かれたものだが、作者がいちいち書いてくるうんちくが可笑しくてたまらない。とはいえ、本書は全5巻か?まだまだ続き、ようやく劉備玄徳の「三顧の礼」で締め括る。天才軍師・諸葛孔明をもっと知りたいと思ったら、半分ふざけたこの本はとても面白おかしくておすすめだ。5巻まで頑張るぞ!2020/05/04
にく
37
「カッコいい三国志」に食傷気味な方へお勧めしたい。逆に言うと、これから三国志を読もうという方はいきなりこの本に手を出してはいけません。変なイメージを植えつけられます(笑)いろいろ突っ込んでるけど、酒見さん、孔明のことが相当好きとみた。私も酒見版孔明大好きです。2010/11/16
カムイ
28
酒見版三国志、講談風の設定だが、それが、今までの三国志とは全然違う、腹を抱えて笑った、張飛は始終酒を飲んでいるし、やっぱバカだし、それに付き合わされる徐庶はへべれけになり、劉備を窮地に落として仕舞うし、孔明は奇人変人宇宙人だし、諸葛均は、いつもオドオドして右往左往、それがまた可愛い、黄氏も大好き、ここに出てくるキャラ皆、大好き、時々作者の薀蓄やツッコミは、ウン、ウンと頷いたりしたり、笑いながら、ページをめくった、それにしても、作者は三国志をこんな形でブッタ切るとは、恐れ入ります二巻以後も楽しめそうだ。2019/03/22
Aminadab
26
酒見賢一による三国志、2004年に第一部が出て、2020年に第五部で完結した。体裁は、陳寿『三國志』と羅貫中『三國演義』を両方見ながら口演する現代講談という感じで、この巻は〈三顧礼〉まで。知らなかったのは、『水滸伝』も『三国演義』も口演ネタを繋げて活字化した作品だが、孔明関連の口演(「説三分」という)では孔明はもっぱら神通力ある神仙として描かれていて、羅貫中は少しくらいの矛盾撞着はお構いなく、史実の中にその叙述を嵌めこんだ、という楽屋事情。ところがその結果、あの最強のコンテンツが誕生したとはびっくり。2025/02/19
Lesen
22
変人奇人、孔明ここにあり。喜劇です。変人っぷりと作者の突っ込みに何度笑った事か。登場人物が変なのは孔明だけではありませんが。二重人格で天の邪鬼な劉備、意外に好ましい。この喰えない感じは劉備らしい。この小説面白いわ。ただ変則的な小説なので、他の三国志の本を先に読まれた方が良いと思う。孔明ファンは受け入れられるのかしら??2014/12/03