ぐるぐるまわるすべり台

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 185p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163230009
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

著者等紹介

中村航[ナカムラコウ]
1969年、岐阜県大垣市に生まれる。2002年「リレキショ」で、第39回文芸賞を受賞した。受賞後第一作の「夏休み」、「ぐるぐるまわるすべり台」が続けて芥川賞候補となる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おかむー

60
表題作『ぐるぐるまわるすべり台』と前日譚『月に吠える』の二本立て。そうかそうか『リレキショ』『夏休み』とこれではじまりの三部作という分類になるのか。『もうすこしです』。二編とも恋愛がほぼ絡まないだけに、中村航独特の言葉のチョイスをベースにした、主人公とそれをとりまく感性が際立って、物語としてはある種つかみどころのない内容とはなっているが、根底は「くりかえしの生活をリセットして新しく始める」かな?もう少しわかりやすい起承転結のほうが好みだけれど「考えるんじゃない、感じるんだ」と思えば心地よい空気の作品2014/05/11

ひめありす@灯れ松明の火

50
いずむさんに『最近中村航が気になるんですけど、何かお勧めはありますか?』と聞いたら『全部読んだらいい』と教えて貰ったので、綿矢金原フィーバーに隠された芥川賞ノミネート作から。利口で論理的で、そして馬鹿で愛しい男の子達が可愛い。屋上ペントハウスでの授業いいなー、とても楽しそう。そうやってどうでもいい事も、生きていく上で大切な事も、机の上では役に立つ事も、一つ一つ覚えながら感じながら、てっとてっとと梯子を上って、そして勢い良く、何処へも辿りつかない急降下を螺旋に回るのだろう。良く言えないけど、好きな螺旋の話。2012/05/26

takaC

42
いわゆるモラトリアムってやつでしょうか。そうでしょうね。「なんだかいまいちでしたね」2012/11/26

tokotoko

23
2話からなる。まず1話目。大学を退学し、塾講師を熱心にこなす僕。お気に入りの生徒は、不登校の中2生「ヨシモク」。僕は、ヨシモクの名を借りて、バンドメンバーを募集。少しずつ僕の毎日が変わっていく。2話目では、1話目のバンドメンバーの哲郎の毎日が淡々と描かれる。すごく感動的だったり、盛り上がりがあるわけではなかったが、その軽々した感じが、若い時の頼りなさ、や寂しさ、いい出会いの喜びといった気持ちを思い出させてくれた。希望通りにいかなくても、必ず別の道がある。それも案外悪くないよって教えてくれる一作。2013/02/20

わった

20
バンド結成に関する2つの短編が収録されています。表題作は、大学を退学し、塾講師として働く合間にバンド結成のために動くのですが、まさかの結末でした。大学を退学した事や、白米に目玉焼きを乗せた食事を採っていることなどから、諦めがうかがえますが、そうではなく再出発のための物語なのかなとも思いました。中村航さんの穏やかだけれども特徴的な空気に取り込まれました。「親指で始められることは確かに無限にあった」など、カッコイイ一文があちこちに埋め込まれていました。2016/05/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/526463
  • ご注意事項