内容説明
巨大スーパー・一風堂を襲った連続爆破事件。企業テロを示唆する犯行声明に株価は暴落する。白水銀行審査部の板東と企画部の二戸は、一風堂の巨額支援要請をめぐって激しく対立する。乱歩賞作家が放つ、傑作金融エンタテイメント。
著者等紹介
池井戸潤[イケイドジュン]
1963年岐阜県生まれ。慶応義塾大学卒。98年『果つる底なき』(講談社)で江戸川乱歩賞、2010年『鉄の骨』(講談社)で吉川英治文学新人賞、2011年『下町ロケット』(小学館)で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ハイク
92
著者お得意の銀行を舞台にする痛快劇だ。これに大型スーパー爆発事件が加わった。主人公は融資を担当する坂東調査役。すでに大型スパーに1千億円の巨額融資をしている所に爆発事件が起き株価は暴落した。さらに追加融資五百億円の依頼が来た。その審査を坂東が担当しており、ワンマンで放漫経営をしている会社に融資は反対であった。一方企画部の二戸次長は追加融資に積極的で、行内では坂東と真っ向から対立していた。坂東の活躍はこれまでの作品と同様痛快であった。爆発事件の方は何となく付け足しのような気がした。でも池井戸節は炸裂した。2014/10/23
Satomi
49
大手スーパーの一風堂爆破事件とそれを取り巻く銀行融資の二本立て!!池井戸さんの安定した銀行ものと、刑事もの、ダブルで楽しめお得感があったような…どちらも中途半端なような…。けっして面白くないという訳ではないけれど、もの足らない…かな…。2015/03/06
Yuna Ioki☆
42
今まで読んできた池井戸潤作品に比べて少しミステリーとしても、お仕事経済小説としても中途半端な気がする。というか、池井戸潤作品の主人公の熱血さがたりないのかもしれない。さて、お次は半沢シリーズ第二弾を読むか。第一弾はまだお預け状態(^=^;2013/12/24
さら
37
面白かったです。正直、途中までは全然期待していなかったのですが、登場人物達が次々と新たな面を見せてくれるに従い、爆破犯は誰なのか、融資が下りるのか下りないのか、一風堂の経営はどうなるのか、手に汗握る展開でした。意外な犯人に“してやられた感”もあり、ミステリーを読んでいる気持ちも味わえ、お得な一冊でした。坂東のまっすぐさが心地よかったです。しかし、このタイトル、池井戸さんの本でなかったら読まなかったかも(笑) 経済は苦手意識があります。池井戸作品、二作続けて読んで銀行さんのこととか勉強になりました^^2015/08/14
kiyoboo
33
銀行では取引先が業務悪化になると審査部へ所管が変わり、再生できれば不良債権処理の負担が軽減されるが、見込みがない場合は、切り捨てることもあるという。坂東調査役が担当している企業が、テロにより放火が相次ぎ株価が暴落する。カリスマ社長は銀行が金を貸すのが当然だとばかりに追加融資を求める。行内からの圧力があるが「支援を見送る」と主張する坂東。先送り体質の頭取の判断が実にいい。ただ、本作は銀行ものというより、刑事ものみたいだった。好き嫌いはあると思うし、細かい伏線の回収や尻つぼみ感は否めないが楽しめた。 2015/05/21