内容説明
千葉常胤は,下総千葉の庄を名字の地とする関東の豪族的領主であり、晩年、頼朝の挙兵に参加して、鎌倉幕府建設の功労者の一人に数えられる。本書は、彼を巨大武士団の首長、御家人中の代表的人物としてとりあげ、その豪族としての成長・発展と、頼朝政権との結びつきを追究しつつ、鎌倉幕府の基盤を解明しようと試みたユニークな伝記である。
目次
第1 常胤の家系
第2 私営田領主と兵
第3 在地領主の成立
第4 常胤の登場
第5 頼朝との出会い
第6 東国政権と常胤
第7 源平合戦と常胤
第8 常胤と頼朝
千葉氏略系図
略年譜
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ymazda1
5
千葉常胤なんて、まともな史料はほとんどなさそうなのに、人物叢書らしい本になるんだろうか?って思いながら読み始めたら、まえがきに、それでも頑張るみたいなことが書かれてて、ビックリ・・・そして、そんなハンデを背負いつつも、なんとか常胤とその時代が復元されていくにつれ、吾妻鏡の引用が逆に胡散臭く思えてくる不思議さ・・・あと、個人的に「こんな詳しい系図は逆に胡散臭いし、偽書なんじゃ?」って思ってた『千葉大系図』がやたら重用されてたので、なんでだろ?て調べてみて、この史料の由緒に、ちょっと感動してしまった。。。
katashin86
2
頼朝と出会う前の、平忠常以来の総州平氏の活動についても史料にあたった充実の記述。平安後期の分立的な総州平氏の中から、頼朝の創業と結びつくことで、中世東国の雄としての下総千葉氏の立場が確立したことがわかる。2018/12/09
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