邂逅の森

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邂逅の森

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  • サイズ B6判/ページ数 456p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163225708
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「家に帰って、妻の手を握りたい」熊に足を喰われ、朦朧とする意識の中で富治はそのことだけを考えた。奔放に生きてきた富治を巨大熊に向かわせたものは何か。俊英がおくる感動の物語。

著者等紹介

熊谷達也[クマガイタツヤ]
1958年、宮城県仙台市生まれ。東京電機大学理工学部数理学科卒業。中学校教員、保険代理店業を経て、97年「ウエンカムイの爪」で第10回小説すばる新人賞を受賞して作家デビュー。2000年、凶悪犯罪の陰に見え隠れするニホンオオカミを追った「漂白の牙」で第19回新田次郎賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

162
直木賞】マタギ。猟師。日本氈鹿と熊。山を旅する男達の淡々とした物語。危険、詐欺。自然とも人間とも戦う。獲物を仕留めた感動を描写するだけでなく、自然を描写するだけでなく、猟師の心を描写している。3つが均衡していて、話が流れていく。東北の厳しい山々と、温泉地が舞台に。分かり易い説明。2014/03/17

初美マリン

118
自然にいかされ自然を愛し一体となるマタギ、女性の強さが心に残る。2019/07/11

R

79
旅マタギを扱った小説。男の一生の物語ともいえそうな波乱万丈さもあり、非常に面白く読めた。大正から昭和にかけてくらいの物語で、その頃の市井風俗も垣間見えるところが多くて興味深い。マタギ独特の信仰めいたものが、結局本当に存在するものだったのか、それはさほど重要ではないながらも、人を縛る、あるいは導くものとなっているのが面白かった。男女の妙も見事で、男都合の話というか、女性同士の機微がまったくわからないという描写が秀逸すぎて、とてもよかった。2024/03/26

Shoji

79
とても重苦しい。 胸が締め付けられるほどの苦しさを感じた。 自然を前にしたら人間はどれだけ小さな存在なのかを知らされた。 すさまじいばかりの生への執着。 貪りあうセックスさえも自然の摂理と思えた。 「邂逅の森」という書名。 自然界では「偶然」というものは存在せず、すべての事象は「必然」の積み重ねなのである。 必然の積み重ねが「邂逅」させるのだと思った。 良書だ。 2016/11/13

たま

75
読メで時々感想を見かけ気になっていた。直木賞受賞作(1)だそうだが、全然知らなかった作家さんで初読み。大正時代の東北のマタギや採鉱夫の生活が丁寧に書き込まれ魅了された(2)。主人公と二人の女との即物的な性愛描写は、読者サービスかいなと思って読んでいたが、後半この性的牽引力がプロットに重要で納得した。ただ最後の2章は私の好みからは盛り上げすぎに感じた。ここまで盛り上げないほうがかえって東北の山に生きた超人的な男のリアルが伝わったのではないだろうか。それはともかく描写に力があり、読み応えのある小説だった。 2025/05/22

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