内容説明
旅が男をみがくのさ。今戸の貸元、恵比須の芳三郎の名代として成田、佐原へ旅を打つ音次郎。さまざまな試練を乗り越えて一人前の男へと成長していく若者の姿を爽やかに描く、股旅ものの新境地。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
デジ姫
2
名代として旅をする音次郎の成長。読んでいて小気味よかったです。
ハル
1
深川駕籠のスピンオフ物(?)今戸の親分のもとにいる優男・音次郎の旅話。なんだか実直で上品な任侠物。不快な登場人物がほとんどいない。土地の人とのふれあいが随所に散らばる。途中で自分がよく買い求めている酒造の名前が出てきてニヤリとした。面白くて読み終わるのが惜しかった。2010/02/05
藤枝梅安
1
今戸の貸元、恵比須の芳三郎の名代として成田、佐原へ旅をする音次郎という若い渡世人が主人公。 この音次郎は鰻が大の好物で、これを食べると元気が出すぎる程である。 成田、佐原への旅の途中、年上の弟分が二人もできてしまったり、 同心と心を通わせたりという、ほのぼのとした物語である。 ところどころ、「切った張った」の世界も垣間見えるが、ほとんどは「義理と人情」の世界である。2009/08/21
半べえ (やればできる子)
0
★★★2010/05/21
FK
0
若い渡世人が主人公。いろいろあるが、所詮、人間はその時代時代の歴史の中でしか生きていけないわけで、今の時点からどうのこうのといっても仕方がないことがある。 だから渡世人ということではなく、ひとりの青年の成長物語として読めばいいのだろう。私たちもこの小説を通して、人間としてのあり方を教えられることとなる。 2014/03/17