内容説明
かつて傭兵仲間だった親友のジャズピアニストが怪死した。男はその謎を追ううちに、アフリカ某国の内戦に乗じたとてつもない陰謀に巻き込まれる―。日本、米国、アフリカを舞台に壮大なスケールで展開する本格国際謀略ミステリー。
著者等紹介
笹本稜平[ササモトリョウヘイ]
1951年、千葉県生まれ。立教大学社会学部卒。出版社勤務の後、フリーライターとして活動。2001年には『時の渚』(文芸春秋刊)で第18回サントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞
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感想・レビュー
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ぶんこ
3
日本とアメリカを舞台にしたスパイ小説。傭兵として戦っていた頃の戦友の死の真相を探っていくうちに、アフリカでの大量殺戮が暴かれていくといった、辛い内容なのですが、不思議と、この作者の本では、抵抗無く読めました。読めはしましたが、人を残虐に殺せる人、決して殺せない人。人が人を殺すという事が、心身に与える影響を考えさせられました。
sumjin
3
『時の渚』を最初に読み、雄大な構想と、テンポの良い筆致、迫力ある登場人物に感動。友人にも勧めた。 その後に、『ビッグブラザーを撃て』これも秀逸。 しかし、『グリズリー』、『越境捜査』以下、何冊か読んだが、正直、失望している。 この本も、日本、ニューヨーク、アフリカとグローバルだし、アフリカの内戦と種族間争いの複雑さ、英雄の実態、戦争の虚しさ、傷跡の深さなど深刻な課題を描いておりそれなりに考えさせられるのだが、どうしても『時の渚』と比べて物足りなさを感じてしまう。 贅沢な感想かな。2011/06/20
sataz
2
再読だったかも。 元傭兵でジャズピアニスト(混血米人)が亡くなった事件を傭兵仲間だった日本人が。話が進む間に独立しようとしたアフリカの小国の事情も絡んできて。何だか「戦争の犬たち」のような雰囲気(確実にリスペクト有り)。アメリカ主体だけどアフリカでのアクションも。この作者らしい風呂敷広っげ放しではなく、割と面白く読めた。2022/11/18
詩界 -うたか-
2
ハードボイルド風。スパイ系。系統としては今野敏さんの「工藤兵吾シリーズ」に近いような、海外で派手に展開されていく所は海外チックなのか。2019/12/22
08041511
1
読み進めるうちに、壮大な世界の中で、段々と謎が解き明かされていく。 前半と後半では、ケープフォックスの立場が真逆になっていく様が、想像をいい意味で裏切った2014/12/16