内容説明
お金か?セックスか?いや…わたし(34歳・独身)、九十九さん(60代・妻子持ち)。しょっぱい愛の物語。芥川賞受賞作。
著者等紹介
大道珠貴[ダイドウタマキ]
1966年福岡市に生まれる。2000年、「裸」で第30回九州芸術祭文学賞を受賞。同作品が芥川賞候補となる。その後も、「スッポン」「ゆううつな苺」などの作品を次々と発表。2003年、「しょっぱいドライブ」で第128回芥川賞を受賞。現在、最も注目される新人である
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感想・レビュー
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遥かなる想い
188
第128回(平成14年度下半期) 芥川賞受賞 。 六十代の九十九さんの 人物造形がよく、なぜか 暖かい気持ちになれる。 人がいい、というだけの 存在が日常を和やかにする。 それにしても、「わたし」の 拘りのなさは一体何なのだろうか。 遊さんとの交わりもあまりに 淡白すぎるが、九十九さんに 対しても、特に期待しない。 一緒にいる心安さが、ゴロゴロと 書き込まれている…そんな話 だった。 2014/03/22
初雪ハロー
152
かなり、面白かった。一気に読了しました✌️オススメです。2019/03/30
absinthe
143
(表題作)男女の仲と言うのはこういうものなのか。理想の相手はどこかにぼんやりといて、離れるでも愛するでもなく、なんとなく過ごしている相手との生活。ギャップを埋めようとするでもなく、あきらめにも似た心境。楽チンで生活できたらいいなという打算もどこか匂わせるつつ、判断をずるずると先延ばし。30過ぎるとあまり理想を持たなくなるのかもしれない。他の二作品も盛り上がりもないけれどゆっくり心にしみる。2022/11/08
レアル
69
ここ最近、芥川賞受賞作品をいくつか読んで、何となくの共通点や作品の雰囲気など掴み掛けてきた感じもするのだが、この作品だけは作品に共感できない自分がいる。34歳の「わたし」と、60代前半の九十九さんの恋愛関係がよく分からない。。打算的な人間感情が描かれていて、よく分からないから読んでいてもピンとこないのだ。この共感できない恋愛感情こそが芥川賞の決め手だったのか!?う~ん。。2015/09/29
Koichiro Minematsu
55
芥川賞が発表されると、以前の作品も読みたくなり、取り寄せました。主人公と九十九さんの年齢差にある生活に30半ばの女性の生き方に揺れている心境が、定まらないもどかしさなのか、所詮揺れ動くものなのか。問いている気がする。2020/07/23