内容説明
私立探偵・飛鳥井が、サイコセラピスト・鷺沼晶子の依頼でストーカーや拒食症、外国人労働者問題など、現代社会を揺るがす「魔」に挑む。高度な謎解きとハードボイルドを見事に融合させた傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
22
『私立探偵飛鳥井の事件簿』としては三冊目となる『魔』は、文藝春秋社80周年を記念して始まった本格ミステリ・マスターズの一冊として刊行された。掲載誌は「別冊文藝春秋」である。純文系「海燕」、エンタメ系「小説すばる」、そして総合文芸誌「別冊文藝春秋」と、ジャンルの違う小説誌に掲載が可能なのは、このシリーズの多面性による。ハードボイルドであり、社会派小説であり、そして本格ミステリでもある『飛鳥井の事件簿』は、だからこそ、野心的なミステリと言えるのだ。(つづく)2017/11/27
山崎にう
4
笠井潔は初読。中編2編。ハードボイルドはあまり読んだことなかったので新鮮な印象。特に文章に「私」を使わないところ。藤原伊織と印象が似てるが、こちらの方が推理小説的。巻末の評論とインタビューの専門的すぎて訳の分からないところは本当に頭を抱える。てつがく…?2016/04/05
あおさわ
3
初笠井先生でしたが飛鳥井シリーズ第三作。らしいですね;どんでん返しもあり普通に楽しめました。少し薄味なハードボイルド。2011/02/13
有沢翔治@文芸同人誌配布中
2
ストーカー問題の事案について、臨床心理士の鷺沼から私立探偵、飛鳥井に依頼が寄せられた。といっても彼女自身がストーキングされているわけではない。クライアントの百合佳がストーカーに悩まされているのだと言う。犯人は津島浩平。同じ大学の学生で、境界例人格障害が疑われた。https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/51341996.html2012/04/17
あんすこむたん
0
この著者の本をはじめて読みました。なかなか。後についているスペシャル・インタビューで「小説というのは、象徴的に二十歳を主要なターゲットにするジャンル」という所が印象に残る。2012/03/18