内容説明
家族のことが、好きですか?郊外のダンチで暮らす京橋家のモットーは「何ごともつつみかくさず」。でも、ひとりひとりが閉ざす透明なドアから見える風景は…。連作家族小説の傑作。
著者等紹介
角田光代[カクタミツヨ]
1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。90年「幸福な遊戯」で「海燕」新人文学賞、96年「まどろむ夜のUFO」で野間文芸新人賞、98年「ぼくはきみのおにいさん」で坪田譲治文学賞、「キッドナップ・ツアー」で99年産経児童出版文化賞フジテレビ賞、2000年路傍の石文学賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aya Murakami
81
図書館で借りた本。角田光代作品3作目。 くずが集まってもいいことは一つも起きないという感じの話でしょうか?2018/01/25
ゆみねこ
43
家庭の中では秘密を持たないという約束ごとのある京橋家。実はみんな家族に打ち明けられない秘密を持っている。4人家族と母方の祖母、父の愛人で息子の家庭教師という6人が誕生会を家でやるというシーンの凄まじさが印象的。母と祖母の葛藤がすべての始まりのような気がするが、父の調子の良さには腹が立つ。スッキリしない読後感。2012/06/22
林 一歩
33
ショッピングモールだけが拠り所である地方都市にしがみつく壊れきった家族を描いた連作短編集。「クローゼットの中のグロテスク」といったところ。2015/10/26
ブルームーン
30
とある家族の一人一人の心情をそれぞれの観点から短編形式で描いた小説。一見、何も隠し事なく平和に見える家族だが、それぞれが抱えている闇の部分は深い。なかなかおもしろかった。2016/06/09
田中寛一
27
角田さんを何作か借りる時に、直木賞の候補になりながらも賛成と反対が拮抗して2003年は受賞作なしとなったといういわく付きの作品、映画化もされているし、読まなくちゃと。隠し事のない家族や人間関係ってあるのだろうか。わざと隠してはいないけども伝えていないことはいっぱいありそう。それでも成り立っていくのが家族であり社会でもあろうと思う。すべて透けたらとても生きていけなさそう。前世や未来を見通されても不確かと思うから、聞いていられるのだろう。清く美しい空中庭園のようにはありたいが。2015/08/23