内容説明
深夜の救急病院、若手医師の懸命の治療は事務長の判断で止められる。最新機器のリース代を稼ぐために不要な検査を続ける院長。国の決まりによって制限される治療方法、レセプトをめぐる損害保険会社との暗闘…。この国の医療ははたして誰のためのものなのか。損保調査員として長年現場にいた著者にしか描けない問題作。
著者等紹介
伊野上裕伸[イノウエヒロノブ]
昭和13(1938)年、大阪府生れ。国学院大学文学部日本文学科卒業。高校教師、興信所調査員等を経て、昭和50年から損害保険調査員として働く。以来、三浦和義事件をはじめ交通事故・医療・火災調査などを数多く手掛けた。平成6年、「保険調査員赤い血の流れの果て」で第33回オール読物推理小説新人賞を受賞。平成8年、『火の壁』で第13回サントリーミステリー大賞読者賞及び日本リスクマネジメント学会文学賞を受賞した
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感想・レビュー
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だい
2
退廃する医業、権力に手を掛けながら悪行を続け、崩壊していく医師。医師の「命の救済者」としての使命感はどこへ行ってしまったのか。ノンフィクションとして読んだが、なかなか奥が深く考えさせられる内容だった。2014/06/24
うさうさ
1
医師会の闇の部分にメスを入れた医療サスペンス。損害保険扱いか健康保険扱いかで、診療報酬に3倍以上もの開きが出る為、病院側と損保側では争いが絶えないらしい。著書は損保側から書いた病院内部の実情。まさに医療は算術。2011/12/26
すばるM45
0
作者は元損害保険調査員なので、説得力はありました。 ただ、医者と政治家は金に汚い、腹黒いってのが一般常識化してるから(笑)今さらね〜っていうのが正直な感想かな? 決着が付いてから新薬研究に至ったくだりが出てきたり、いいように悪態をついていた医師会長が妙に諦めが良かったり、構成には?でした。2008/11/10
Misa-pi
0
著者が書きたかっただろう医療、医師会の闇の部分がこれでもかとてんこ盛りに描かれていて、ハラハラドキドキ怒ったりスッとしたり楽しんで読めました。2018/11/08
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