中陰の花

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  • サイズ B6判/ページ数 173p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163205007
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

現役僧侶が生と死の間を見つめて選考委員全員の支持を集めた芥川賞受賞作。

著者等紹介

玄侑宗久[ゲンユウソウキュウ]
1956年福島県三春町生れ。慶応義塾大学中国文学科卒業。様々な職業についたのち、27歳で出家。京都の天龍寺専門道場にて修行。現在、臨済宗妙心寺派、福聚寺副住職。デビュー作「水の舳先」が第124回芥川賞候補作となり、「中陰の花」で第125回芥川賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

れみ

65
禅宗の寺の住職である主人公が、幼い頃から身近にいた拝み屋ウメの最期に接し体験した出来事のお話(表題作)。あの世というものがあるのかどうかは分からないけれど、供養は遺された側のためにあるという考え方が良いなと感じ、物語とはあまり関係ないところで、禅宗ってそういう雰囲気なんだなと思った。2015/04/11

SOHSA

37
《図書館本》芥川賞受賞作ほか1篇。作者は臨済宗僧侶であり、ひとの生と死とその狭間を静かに描いている。全編に流れる静謐さはやはり禅僧ならではだろうか。『中陰の花』の主人公も作者と同じ僧侶ではあるが、必ずしも全て達観しているわけでなく人間らしく心が揺れ動く。むしろ紙縒をつくり続ける妻にこそひたすらな信心を感じる。ひとのこころはどこにありどこへ向かうのか。答えは容易には語られない。そういえばひたすらは「只管」と書くのだった。只管打坐の只管。凡夫なる読み手には実践はなかなか難しい。2020/07/02

空猫

33
【第124回芥川賞】「中陰」とは、「死亡から四十九日」のこの世とあの世の中間の事。子どもを産めなかった「おがみや」ウメさん。流れてしまった我が子。人は死んだらどうなるのか。人が生まれるとはどういう事か…住職でもある著者のエッセイの様な小説。科学と哲学と合わせた奥深い仏教からの描写が静かに滲みた作品だった。併載の『朝顔の音』ひっそりと隠れるように生きる女性の話。産んだ子を遺棄した女性が自らの罪を抱えて、それでも生きていかねばならない。朝顔を引っこ抜く様に全て破壊できたら…!!不幸を引き寄せる女って居るね。 2023/10/16

まーちゃん

32
おがみやと呼ばれる、不思議な予知能力(神通力)を持った老女が自身の予言通りの日に亡くなった。石屋の夫婦の神秘体験、和尚夫婦と四人で交わされる会話。総じて静謐な空気の中、思わず読み返したくなる情景や情動の描写に何度も出会う。/極楽はある?信じればある、信じなければ、ない。/人は死んだらどうなるの?知らん、死んだことない。/耳は最後まで聞こえている。仏教の経典にはそう読み取れるような記述があるそうだ。チベットの僧侶は死者に正しい道筋を伝えるため「死者の書」を読み上げる。→2014/06/04

冬木楼 fuyukirou

18
玄侑宗久本読むの2冊目。現役のお坊さんだそうで、お寺の様子など知らない面が読めておもしろい。お坊さんだからといって霊とか神秘体験とかに啓蒙が深いわけではない、というところに妙に納得。ウメさんへの引導香語がまたおもしろかった。私はこういう抹香臭い話が好きなんだと思った。 もう1篇「朝顔の音」なんだかうまくいかない人生を懸命に生きているのに感じるモヤモヤ感。「不幸」なんて言ったら失礼に思えるけど、なんで、もう少し、なんかもう、もどかしい。2018/02/24

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