内容説明
あやしげな老紳士と就職浪人の青年が手を組んで、預金量第三位の大都市銀行をはめ殺す!知略の限りを尽くした「五週間戦争」の果てに待つものは…。すべてが市場化する世界を、精緻に痛快に描き切る新世代の経済クライムサスペンス。
著者等紹介
石田衣良[イシダイラ]
1960年東京生まれ。成蹊大学経済学部卒業後、広告制作会社などを経て、フリーランスのコピーライター。97年9月、「池袋ウエストゲートパーク」で第36回オール読物推理小説新人賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さばずし2487398
34
投資の事は殆どわからないが楽しめた。ほぼニートの主人公が謎の老人に声をかけられ、レッスンを受けて株式の世界へ。やがてそれは銀行への復讐へのスキームへと向かって行く。ただ株のやり方を知ってるだけじゃない。波の一番大切な事、それは大衆の感情の『波』。経済も情報と気分なのだという事は勉強になった。あと、悪い事はやっぱりしちゃいけないという事も(笑)老人も酷いが、遥がなんだかんだで良い方に向ったのは良かった。2025/01/18
はじめさん
17
石田衣良初期作品。大学卒業後、パチプロとして生計をたてる青年が出会った老人。裏社会にも顔が利くが、武闘派というよりインテリ系…なにを見込まれたのか、周りの新卒給与と比べても破格のサラリーで雇われ、老人とともに、凪いでいたかと思えば嵐となる株式市場(マーケット)という海原へと漕ぎ出す。独自の相場観を身につけたところで、老人から明かされる計画…カネで泣いたものを救済するのはカネだけか。開戦するマナー・ウォーズ。正規のビッグウェーブにノるしかない!/ 劇中は1998年。まだサブプライムやNY自爆テロもない世界。2023/05/27
メルト
12
謎の老人に株式投資のいろはを教えられた青年が、老人と共に知略を巡らせて銀行を転覆させる、という物語。題材だけみると池井戸潤あたりが書いていそうな感じだけど、キャラ設定のバランス感覚で明るくポップに仕上げていて、たしかに石田衣良の物語になっている。個人的には銀行員の女性との(逆ハニートラップの)恋愛のパートがすごく良かった。とても面白いし勉強になるのだけど、株式投資のハラハラ感をもう少し感じられたらとも思った。2022/02/27
なつ
10
株のお話し。数字に弱い私はチンプンカンプンでしたが、それなりに面白かった。2017/07/28
tommy
10
石田依良さん 初読了 結構昔の作品ですが嫁に勧められ読んでみた 主人公のフリ-タ-が謎の投資家 小塚老人の手伝いからマ-ケットの魅力に取りつかれていく様はなんかワクワクした しかし無気力なパチプロフリ-タ-を一目見るだけでできる奴と見抜く小塚老人のガラス玉の眼力は凄いな~と感心 最後は、小塚老人にハメられたように刑務所送りでとんでも無い目にあわされますが最後は小塚老人の計画通りにハッピ-?におわり 白戸君のその後が気になるな~2013/09/22