内容説明
この街は何だってあり、さ。夏の暑さが人を変えるのか、あるいは街がそうさせるのか。陽炎揺らめくアスファルトには、死の匂いがする。放射する熱気、滾る情念―直木賞受賞後初の小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GaGa
38
久しぶりに読む船戸与一。これはスケール感こそないがそこそこ楽しめる作品集。新宿が舞台の短編が8編。すべてが「夏の」で始まるが連作ではない。ただ、いつもの大きな内容の船戸作品を求めると肩透かしをくらう。個人的には「夏の渦」「夏の流れ」が楽しめた。ただ、最終話の「夏の星屑」は後味が悪いなあ。まあ、こういうタイトルの本だから仕方ないのかも知れないが。2012/03/20
ねなにょ
17
新宿、夏。熱と怒り、不満がもわ~っと纏わりついてくる重く暑苦しい8つの短編集。名前や会話にちょっと古臭さを感じた。余談ですが、『夏の渦』P148、梨本正也が堂本正也に変身!したのには、びっくりした。2017/08/22
Mitsuo Seki
1
夏の、真夏の蒸し暑さがそのまま閉じ込められた短編集。 どれの話からも不快な湿気と汗と血の匂いが沸き出してくる。真夏に読んだら熱波が数倍になって襲いかかってくるだろう。 「夏の流れ」初めて小説の中に長野の須坂出身という人物が出てきたσ(^_^)ほんのチョイ役で事件には絡まずに消えてしまったが。出来ることならもっといい役で出て欲しかったのだけどね(^^ゞ2013/01/23
takeshi3017
0
底辺に蠢く人間たちの熱い生を謳い上げた、直木賞後初の力作中篇集。 ・・・・・新宿を舞台にした中編集。 以下に詳しい感想があります。http://takeshi3017.chu.jp/file3/neta10126.html
つちのこ
0
図書館本。2001.7.10読了2001/07/10