内容説明
「未解決事件」三つの殺しの物語。LAで死んだ三人の女。何が女たちを殺したのか。この街の暗部を、エルロイは彷徨う。「ゲッチェル」スキャンダルで飯を喰うろくでなしの奮闘。笑いと暴力をぶちまけるイカレた文体、暗黒小説の極北を見よ!「コンティーノ」その男の脳には恐怖と暴力衝動が脈打つ。密かに進む大陰謀。美男のアコーディオン弾きは街を救えるか?「LA」アメリカの夢が腐りゆく街。エルロイを生んだ街。LAをめぐるこの悪徳の書は、静かな追憶の調べで幕を閉じる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Chako@(旧名:かど =^ェ^=)
6
4部構成からなる本書は、90年代に雑誌·GQ誌に寄稿したものばかり。短編小説、ルポルタージュ、エッセイとなんとも豪勢な作品集だ。LA4部作のスピンオフや自伝的ルポ「わが母なる暗黒」を出版した後の話が中心。パート1の「ボディ·ダンプ」は母殺し事件の解明調査に味を占めたといっては語弊があるかもしれないが、母の事件と類似した未解決殺人事件の存在に気づき、再び元刑事と協力して解明してみせようとする。その調査過程での熱意と熱量が凄い。パート2と3はLA4部作のスピンオフ。つづく☟☟☟2018/02/11
ベック
2
頭韻小説にシビれた。まさかシナトラとサミー・デイビスjrがあんなことになってるなんて!!!大いに刺激を受ける本だね、これは。呪われしパラダイスである50年代のアメリカの魅力的なことといったら!でも、その場にいて生き延びる自信はないけどね。2014/03/23
くさてる
2
未解決事件に関する短篇小説、エッセイが収録されている。強烈なリズムを感じる文体と暴力と性愛にまつわる偏執的な視線がとても色濃くて、一気に読んだらしばらくめまいがするような気持ちになった。体力が必要、けれどその濃さがもしかしたら病みつきになるかもしれない。2012/09/17
糸くず
2
小説よりもノンフィクションの方が面白かった。母親が殺されたこと、そして事件が未解決であることがエルロイにとって非常に大きいものであることがよくわかる。強烈な悪意と猥雑さに満ち溢れた本だと思う。
パロンヌ
1
短編でも十分濃密 2014/02/15