出版社内容情報
エログロ、スカトロ、古典芸能……ここまで書いていいのだろうか?常に物議を醸してきた著者が挑む10のラディカルで危険な作品集!!
内容説明
あの甘美な毒!なつかしいドタバタが帰ってきた!猫が舞う。豚が飛ぶ。手からは無数の釘が出る。月笑う。ビル踊る。腹では太鼓が鳴っている。断筆解除後初の過激衝撃短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GaGa
40
再読なのだが、読み飛ばしていたものもあり、そういう意味では少し新鮮に読めた。まあ、表題作は往年の筒井康隆の力量がいい意味でも悪い意味でも蘇った佳作であろう。作品のタッチとしては「郵性省」がかぶってしまったが。「俄・納涼御贔屓勧進帳」(正確なタイトルの変換が難しいのでこれで許して)なども初期の筒井作品を感じさせてくれて嬉しい。2013/03/03
いおむ
15
「時をかける少女」「わたしのグランパ」ももちろん良いが、自分にとって筒井康隆はやはりこっち。2020/06/13
ミツツ
9
エログロスカトロ。一気にいうと呪文みたいでOKっぽい。今の風潮はコンプライアンスとか何とかハラスメントとか気を使うことが沢山あるけど、こうやって本にしちゃえばこっちのもん的な感じで、私も一緒に筒井先生と突っ走ったね。2025/04/18
amanon
6
人前で読むのが憚られるようなこの表紙が示唆するように、エログロナンセンス色が強い短編集。断筆解除後一冊目の短編集というだけあって、勢いがあったのか。圧巻はやはり表題作。あそこまでのスカトロネタを大っぴらにやれる書き手は後の世代にはいないのでは?また、かなりの割合を占める七福神を主題にした一連の短編は、素直に楽しめたという感じか。こういう駄洒落をも盛り込んだナンセンス作品もある意味筒井の真骨頂。大阪のベタなノリを基調にしつつ、都会的なハイセンスも匂わせるのはさすが。後書きは、今日の自粛傾向への警告でもある。2021/01/20
ブルーツ・リー
5
エログロナンセンスもここまで来ると、ちょっと読めないな、と思った。 筒井康隆という人は、純文学誌にも文章を書いていて、そこではここまで物語の破綻を気に掛けず、はためたな事ばかり書いている訳ではないので、もう、これは、当たり外れなのかな、と思った。この本の掲載作は、だいたい、外れ。 ギャグによって笑いを取るスタイルは、純文学では町田康という人が居て、その人は、ぶっ飛んだ笑いを書くようでも、決して下品にはならない。 筒井康隆という人も、純文誌ではそれができるのだから、エンタメでも、もう少しどうにかならないか。2022/02/21