出版社内容情報
SM、最新風俗……。背徳の世界は実は身近にある。ほんの些細なきっかけでそこを覗いた者たちの苦悩、絶望、快楽を描いた中篇集
内容説明
絶望と快楽。うちの女の子はね、みんな頭文字がMになる前名なの。マゾのM。馬鹿みたいよね。ほんの些細なきっかけ、誰しも“闇”を秘めている。暗黒小説の旗手が切り拓くエロスの新境地。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃさち
19
①子供ができ嫁の妹に恋する男②隣人の父親を好きになり娼婦になる女子高生③子供が命でも夫はつまらないテレクラをする女④父親を殺しSM嬢に恋をする青年 全て官能的であり全て結末が不幸になる。①は妹を好きになり過ぎ職場の仲間から貰った妹と思われるネットで載っていたヌード写真を信じてしまい人格が壊れる。②隣人夫婦と両親は不倫していた。そして隣人の息子に隣人夫婦は殺される③ヤクザに引っかかり妊娠し息子はいじめのリーダーだった④死ぬことはなかったが可哀想だった。 2018/01/22
そうたそ
15
★★★☆☆ 男女の欲望や情念を描いたかのような短編集。エロは強めなのだが、いつもの馳ノワールに程良く官能的な雰囲気がのっかっている印象を受けた。どの作品ももうちょっと先を読んでみたいと思うところで、話があっさりと終わってしまっている。贅沢といえば贅沢だが、長編のようなこれでもかというほどの読後の満足感はなかった。短編の長さゆえか、男や女が堕ちていく手前で話が終わっているからか。長編なら徹底して登場人物たちを堕としていくから、そこに期待してしまっていたのかも。2020/07/22
reo
15
馳星周の短編集。3編目の「声」などは、少しだけ贅沢をしたい。あの人が持っているバッグが欲しい。今の給料では買えない。普通はこれで諦めるはずだった。多分千人のうち999人はやらないだろうが、残りの1人は軽い気持ちで始めてしまうかも。風俗の入口へ半歩踏み込むのかも。そしてその罪悪感も、楽をして金が入るという安易さが勝ったとき次の半歩を踏み出している。そこで極道の魔の手が…怖い。ただ短編なので馳星周得意のえげつなさだけではなく、最後の”落ち”が洗練されており、ああ成程という謎解きの面白さも併せ持っている作品集。2019/02/26
愛の餓死体
11
初・馳星周本。去年の図書館祭り(蔵書リサイクルフェア)で頂いた作品。内容も知らないまま一年間積読に・・・R-18本の内容とは知らなかった。感想は秘密です(笑)2012/11/21
ゆちあ
6
一気に読みました。内容知らずに買いましたが届いてびっくり。とりあえず読みました。こんな世界がホントにあるのかな。きっとあるんだろうな。2017/11/16