出版社内容情報
人生にトゲのように突き刺さり、今なお私を狂わせる記憶の数々。人間の生の無限の底に蠢く黒い情念を描き慄然とさせる七つの短篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんらんしゃ🎡
51
居心地の良い本ではない。なんでこれを読もうと思ったんだろ。映画『赤目四十八瀧…』の部屋で肉に串刺すシーンが強烈だったが、そのよどんだ空気そのままのイメージだ。気力を奪われる。疲れた。2017/06/02
鉄路のほとり
3
「児玉まで」と「ある平凡」を再読。「児玉まで」はついに児玉にはたどり着かない話であったということに気づいた。なんの縁もない男女が宛のない旅に出る筋書きはのちの「赤目四十八瀧心中未遂」に結実する車谷長吉の真骨頂か。2019/08/30
吉田
2
『変』丑の刻参りが怖いながらも笑える。そのうちに死の影がどんどん迫ってきて笑えなくなるけども。『静かな家』『金輪際』も怖い。『児玉まで』「なるほど、通夜酒の味を覚えたわけか」「頼子の子宮の中ではまだ私の精虫が動いている筈だ」ひいー。2010/02/06