出版社内容情報
伊勢屋忠兵衛からの度重なる申し出に心揺れるお文。一方、伊三次は頻発する幼女殺しに忙殺され、二人の心の隙間は広がってゆく……
内容説明
廻り髪結いの伊三次と深川芸者お文の恋の道行きも波瀾に満ちて―人気捕物帖シリーズ第二弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
めぐ
70
紫紺のつばめ(連続幼女殺し)、ひで(深川八幡の祭り)、菜の花の戦ぐ岸辺(押し込み強盗)、鳥瞰図(不破の妻のいなみ)、摩利支天横丁の月(下谷の娘のかどわかし)5編、どれも読み応えがあり1巻目よりも重い印象だ。意地で気持ちがすれ違った時や、生死の危機の時に、どこまで相手を想えるか、信用出来るか。相手が道を間違えてているのを止められるか。気持ちの深いところを突いてくる。誰もが必死で生きていて思い通りに生きていけない辛さを多少なりとも抱えているのだなと思いながら読んだ。特に「ひで」は悲しく救われない気持ちが残る。2021/07/24
ひらちゃん
60
心配しちゃうよ。伊佐次は捕まるは文吉姐さんとは行き違うは…。不破の旦那にはがっかり。伊佐次はガツンと言ってやったけど、また元に戻るんだろうな。おみつも無事で良かった。いろいろあったけど先の見える終わり方。次巻に楽しみが増えた。2018/06/02
万葉語り
41
髪結い伊三次捕物余話2作目。図書館に幻の声がなかった。なので2作目から再読開始。伊三次とお文が仲違いし、さらに不破様の小者もやめてしまいそうになってハラハラした。伊三次がまだ若い。2016-102016/01/08
さなごん
32
伊三次とお文の行く末が気になって。いなみさん、よかった。おみつと弥八よかった。2015/12/01
星群
17
髪結い伊三次捕物余話第2弾。仕事の忙しさや、ちょっとしたことから、すれ違ってしまった伊佐次とお文。お金か、愛か…。貧乏でも、好きな人が傍で笑っていてくれたら、何だって乗り越えていける、伊三次とお文を見てたらそんな気持ちになった。『菜の花の戦ぐ岸辺』と『摩利支天横丁の月』がお気に入り。2012/04/18