出版社内容情報
十七世紀イタリアの小都市、思わぬことで殺人犯となった夫の最後の行為が新妻の生涯を支配する。物語の復権を告げる堂々たる綺譚
内容説明
斬首形直前、夫は妻の鼻を噛み切った!十七世紀トスカーナの小都市で起きた、途方もない物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もりくに
24
河野多恵子さんの最晩年の作品。舞台は17世紀のトスカーナ。蝋燭屋の娘のエレナは、結婚した帽子屋のジャコモが人を殺めて死刑になる直前に面会し、彼に鼻を「齧られる」。これは、その「後日の話」。彼女ははじめ家に閉じこもるが、その内、人にじろじろ見られながら外出するようになる。教会で告解したり、ほら貝の料理を作ったり、愉快な人に求婚されたり。でも、ある日の午睡で「帰ってきたのさ。僕はもう一つのことをやっちゃったから、前のはご破算になったそうだ」とジャコモが登場。その後、彼女は自分も刑死するため「放火」を決意する。2017/10/26
みな
1
少し変わった子供であり、女であったエレナを熱愛したジャコモ。彼がふとしたことで斬首刑となる。愛しい夫に面会し、最後の別れを告げたその時、夫は妻の鼻を噛み切った。それからのエレナの、表題通り「後日の話」。内容的にはもの凄い話なのに、それを書く著者の筆致はあくまで一定の距離があり熱を帯びない。どこまでも冷たく、どこまでも人ごととして話が進んでゆく。エレナの気持ちが理解できそうな気がしてきてしまうのが作者の力量なのかな。2012/05/02
ともこ★
0
翻訳本かと思った。始めは読みにくい。読み進めれば、どんどん進む。落ちはないのだが。よっぽどエレナ嬢は、魅力的な女性なのだろう。2014/05/28
gua5113
0
最後の20ページの展開、予想出来なかったなあ!2020/03/01
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