出版社内容情報
水野忠邦に抜擢され、天保の改革に尽くした鳥居耀蔵だが、改革の頓挫により失脚、数多の悪名を被った。官僚の立場に殉じた男の生涯
内容説明
鳥居甲斐守忠耀は本当に悪人だったのか!?水野忠邦の懐刀として天保の改革に辣腕を振るい、世人の怨嗟の的となった能吏の悲劇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ふじさん
80
          
            水野忠邦の腹心として、天保の改革の折、江戸町奉行として「蛮社の獄」や権謀術策で歴史上に悪名を残した鳥居耀蔵。「妖怪」という異名まで奉られた稀代の悪役の実像に透徹した史眼で迫る力作。偉大な儒学者の林大学の子として生まれ、武門の鳥居家の婿となり、天保の改革を進める水野忠邦に見いだされ、辣腕を振るうことになる。悪者のイメージが強い鳥居耀蔵だが、この作品では自分に与えられた役割を懸命と務めた結果、誤解され汚名を着せられたと記されている。斬新な鳥居耀蔵観が読み取れる。明治まで生き延びるあたりは、やはり「妖怪」か。2024/08/22
          
        沼田のに
2
          
            妖怪こと鳥居耀蔵の立場になった平岩弓枝が現す耀蔵像。いままで頭のいいマムシのごとき嫌われ者の耀蔵像しか読んだ事なくて、良くても基本悪人だけどほんの少し憎めないくらいの印象だったけど、読めばなるほど褌は緩いが真面目ないい人であると読める。逆に渡辺崋山はおっちょこちょいになっちまう。作者はへそ曲がりなのかね。6/102014/06/14
          
        甲斐小泉
1
          
            悪評高い鳥居耀蔵より、ライバルたる遠山の金さんの方がむしろ悪い人かも?2011/01/06
          
        sato
0
          
            別の作家さんの本で鳥居耀蔵という人を知ったけれど、ステレオタイプの悪役だった。興味を持ってwikiを読んだりもしたけれど善い人という印象は持たなかった。でももし本人が今の世に居たら、こんな風な申し開きをしたいだろうな。壊れかけた世を正す為に嫌われ者にならなければならなかった、名家の出であるが故か器用に世渡り出来なかった、でもこういう人も必要だったのだろう…(でも、全く欲や悪意がなかった、とも思えないけど)見方を変えれば物事の捉え方も変わるんだと改めて思う。2019/04/13
          
        


 
               
               
               
               
              


