出版社内容情報
失業生活のなか、徐々に壊れゆく男の日常を描いた、受賞第一作「陽炎の。」他三篇収録。鋭い視点で現代社会をリアルに捉えた短篇集
内容説明
日常に潜んだ奈落へのエッジ、いつも足元にそんな感触がある。堕ちて何が悪い?堕ちてからが本当は始まりだろう?十八歳の冬、いつも海を見ていた。そして今は―。堕ちゆく男の想いをリアルに描いた渾身の短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
踊る猫
29
実にカオス。一本ストーリーラインの線を通してイベントを配置していく行儀の良い書き方ではなく、著者あるいは語り手が自身のセンスを全開にして感じ取ったことや思いついたことを羅列していくスタイルが採られている。そのカオスぶりがたしかにコミカルな味わいを出しているのだけれど、同時にこの著者ならではの妙に繊細・センシティブな感受性から来る世界への違和感・疑問や女性に向けられた憧憬が同じ男であるぼくの胸を熱くさせる(だから、ある意味では「女人禁制」な世界とさえ言えるかもしれない)。たしかに世界はこんなにも豊穣と思う 2024/06/17
中塚
1
どの話も最初の一文で、ストンとその話の中に落ちていけた。描写ひとつひとつがとてもリアルで、何回も読み直してしまう文が数ヶ所。心の奥に深く爪痕を残すようだった。2009/12/08
cq1
0
ダメだ、、、読書脳が追い付かない。短編集だが陽炎の。だけを読んで読むのをやめてしまった作品。肌に合わなかった作品2012/03/16
...
0
日本の文学っぽくない。言葉だけでどこか他の世界に行ける。2010/04/05